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伊勢神宮

平成最後の伊勢神宮参拝

今上天皇(きんじょうてんのう)陛下が今月限りで譲位(マスコミは「退位」とよんでいるが、「譲位」が正しい)されることになり、
世間では「平成最後の~」のオンパレードとなっている。
伊勢神宮ほどこの時期に訪れるのにふさわしい場所はないだろうと思い、訪れることにした。

4月18日に今上天皇陛下は伊勢神宮に行幸され、「神宮親謁(しんえつ)の儀」に臨まれた。
このとき、皇位の印とされる「三種の神器」のうち、剣と勾玉(まがたま)を捧げ持った侍従らとご親拝されているが、
これを「剣璽(けんじ)ご動座」という。「璽」は勾玉のこと。
ちなみに残りの一つの神器である「鏡」は三種の神器の中でも別格であり、伊勢神宮・内宮に存在する。



歩行日:2019年4月27日
出発地:近鉄・伊勢市駅(10:00)
到着地:近鉄・伊勢市駅(15:45)
総歩行距離:7.7 km

 

大阪難波駅を 8:17 に出発し、伊勢市駅には 9:56 に着いた。

 

 

伊勢市駅前から伊勢神宮・外宮(げくう)の参道が始まっている。
なお、伊勢神宮は外宮→内宮(ないくう)の順が正しい参拝方法である。
「二見ヶ浦の夫婦岩」を参拝してから伊勢神宮に参るとなお良い。筆者もそこまではしていないが。

 

 

外宮への案内があるが、一本道なので迷うことはないだろう。

 

 

外宮・表参道の入り口にあたる「火除橋(ひよけばし)」に着いた。

 

 

外宮の正式名称は「豊受大神宮(とようけだいじんぐう)」。
ご祭神は「豊受大御神(とようけのおおみかみ)」。
内宮のご祭神である「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」の食事を司る神。
衣食住の守護神。

 

 

外宮は左側通行。
ちなみに内宮は右側通行だが、外宮も内宮も、みんなと同じように歩いていれば間違えることはないのでご安心を。

 

 

外宮の境内図。

 

 

火除橋を渡ると、手水舎が見えるので、心身を清める。

 

 

一の鳥居。伊勢神宮の鳥居は朱色に塗られていない。
また、伊勢神宮は、通常の神社と異なり、狛犬もいなければ、しめ縄もないし、おみくじもない。
ただし、この鳥居の下のほうにあるように「榊(さかき)」が飾られている。

 

 

左側通行で歩く。真ん中は神様の通り道なのでご注意を。

 

 

二の鳥居。

 

 

参拝は正宮(しょうぐう)から行う。

 

 

ほどなく正宮が見えてきた。

 

 

外宮の正宮で参拝する。この鳥居より先は撮影禁止となっている。

 

 

正宮の右隣はご覧のように空き地となっている。
そして 20 年ごとに正宮を移動し、右と左で行ったり来たりする。これを式年遷宮(しきねんせんぐう)という。
この空き地は御敷地(みしきち)とよばれ、奥にポツンと置かれている覆屋(おおいや)のところに心御柱(しんのみはしら)が建てられる。
神様は穢れることを嫌うので、定期的に新調する必要があるのだが、1か所で壊して新築するということをしてしまうと、
神様の居場所がなくなってしまうので、このようにローテーションを行うのである。
遷宮は外宮・内宮共に行われ、また、正宮・別宮関係なく行われる。
前回の式年遷宮は平成25年10月に行われた。

 

 

正宮を参拝したので、次は別宮を参拝する。
その前にこれはパワースポットとしても有名な「三ツ石」。
式年遷宮の時お祓いをする場所であり、この石の上に手をかざすと温もりがあるといわれる。
みんな、手をかざして温もりを感じているのかな。

 

 

別宮はいくつかあるが、まずはその中でも格上の「多賀宮(たかのみや)」から参拝するのが順序である。

 

 

多賀宮で参拝する。ここは、豊受大御神の荒御魂(あらみたま)が祀られている。
同じ豊受大御神でも、正宮では「和御魂(にぎみたま)」が祀られているのに対し、
多賀宮では、「荒御魂」が祀られている。
御魂のおだやかな姿を「和御魂」とするのに対して、
顕著なご神威をあらわされる御魂の働きが「荒御魂」とされている。
少し難しい話だが、神道における概念であり、神の霊魂が持つ2つの側面のこと。

 

 

次の別宮はとして土宮(つちのみや)を参拝した。
外宮域の地主の神とされ、川の氾濫を防ぐ堤防の守護神。

 

 

最後に参拝したのは風宮(かぜのみや)。
風雨の災害を免れる農業の神として信仰されている。

 

 

神馬の厩を訪ねたのだが、残念ながらお馬さんはいなかった。

 

 

神楽殿の横で御朱印をいただく。ここで御朱印帳を新調した。
御朱印は、筆者の知る中で最もシンプルなものである。

 

 

売られていたお守り。

 

 

お札の祀り方。

 

 

外宮を出ると、すぐのところに内宮行きのバスが待っていた。

 

 

IC カードも使える。

 

 

10分ほどで内宮に到着。バス代は400円であり、距離の割には高い。
健脚の方であれば、外宮から内宮まで歩かれてはいかがだろう(1時間程度)。

 

 

バスを降りると鳥居の向こうに宇治橋が見える。

 

 

しかし、その前に人だかりがあったので、立ち寄ってみた。
すると、平成に感謝を示す記帳所であったので、筆者も並んでみた。

 

 

15分ほど並んで、記帳した。

 

 

記帳の証をいただいた。なんと、勾玉(まがたま)ではないか。

 

 

早速開封してみた。これは伊勢の地の土を使って作られたもの。
御代替わりのこの時期に来た甲斐があったというものだ。
これは素直に嬉しかった。

 

 

さて、内宮であるが、正式名称は皇大神宮(こうたいじんぐう)。
ご祭神はもちろん、天照大御神(あまてらすおおみかみ)である。
天照大御神は八百万(やおよろず)の神の中でも最も尊い神であり、皇室の祖神である。
さらに、日本人の総氏神(そううじがみ)でもある。

 

 

鳥居をくぐり、宇治橋を渡る。

 

 

内宮は右側通行である。

 

 

宇治橋の右側を歩く。

 

 

橋の中央付近から五十鈴川(いすずがわ)を望む。日本人で良かったと思える瞬間である。

 

 

橋を渡り、一の鳥居に向かう。

 

 

新天皇のご即位を祝して神楽祭の舞が公開されるとのこと。
GW 真っ最中なので、行かれる方は激混みをお覚悟のうえで。

 

 

境内図。参拝は外宮と同じく、正宮→別宮で。

 

 

その前に手水舎で心身を清める。

 

 

ようやく一の鳥居が見えた。一礼するのを忘れずに。

 

 

鳥居をくぐってしばらく行くと、五十鈴川御手洗場に着く。
昔はここで身を清めていた。水はひんやりとしていた。

 

 

さて、内宮の場合は正宮を参拝する前に行くところがある。
それがこの「瀧祭神(たきまつりのかみ)」である。
これは大御神様へお参りに来たことをお伝えする場所であり、ここだけは正宮参拝の前に訪れる必要がある。
また、通常、伊勢神宮では個人的なお祈りはしないのであるが、
ここで願い事をすると、大御神様に取り次いでいただくことができる。
まとめると、
(外宮)正宮→別宮
(内宮)瀧祭神→正宮→別宮
の順に参拝するのが正しい。

 

 

二の鳥居をくぐる。

 

 

神楽殿の横を通り過ぎる。

 

 

とうとう正宮に到着した。階段から上は撮影禁止である。
日頃の感謝をお伝えさせていただいた。

 

 

大御神様に参拝したので、次は別宮を参拝する。
荒御魂なので、個人的なお願いよりもむしろ、「世界平和」とか「人類幸福」などの壮大な祈りを捧げるのが良いのであろう。

 

 

習わしの通りに参拝するとなると、来た道を少し戻ることになるのだが、そんな小さいことを気にしてはいけない。
ここは伊勢神宮である。日本で唯一の「神宮」である。
明治神宮や平安神宮も「神宮」という名が付くが、ひと言「神宮」というと伊勢神宮のことを指す。

 

 

風日祈宮(かざひのみのみや)。五穀豊穣を祈願する。

 

 

風日祈宮の右隣にも御敷地(みしきち)がある。覆屋がかわいい。

 

 

御朱印は仮設の御朱印所でいただく。御代替わりで御朱印希望が殺到することに向けて、万全の体制。

 

 

内宮の御朱印もシンプルである。

 

 

帰りの宇治橋から五十鈴川を眺める。

 

 

参拝を終え、「おはらい町通り」を歩く。ここはすごい人混みである。

 

 

上の写真に見えている「ゑびや」という店に入った。
注文したのは伊勢名物の「てこね寿司」と「伊勢うどん」。
てこね寿司はカツオの「漬け」のちらし寿司である。伊勢うどんは太くて、こしのないうどんである。
伊勢に来る楽しみの一つがこれなので、筆者は満足。左上はタレが中に入ったみたらし団子。

 

 

古い町並みが再現された「おかげ横丁」。

 

 

食事のあとは甘味ということで、赤福本店で赤福餅を食べた。

 

 

15:44 伊勢市駅発の近鉄特急「伊勢志摩ライナー」で帰阪。

平成最後の「お伊勢参り」は予想外の記帳などもあり、御代替わりを実感することができた。
「令和」の世も、日々感謝のできる世の中でありますように。

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