洛趣会(らくしゅかい)は昭和三年から始まった、京都の老舗が年一回開催する展示会である。
開催場所は毎年異なり、有名な神社仏閣で行われることが多い。
また、一業種一店という決まりがあるらしく、ここで展示できるというのは店側も自慢になるらしい。
さらに、展示会に赴く客側も京都らしく「一見さんお断り」であり、参加には招待状が必要である。
この度、筆者は知人から招待状をいただいたので、このような機会を逃す訳にはいかず、参加させていただいた。
歩行日:2019年11月4日
出発地:京都地下鉄・今出川駅(10:40)
到着地:京都地下鉄・今出川駅(13:00)
総歩行距離:6.5 km
今年の開催場所は相国寺(しょうこくじ)である。臨済宗相国寺派の大本山。
相国寺というとご存知ない方もおられるかもしれないが、金閣寺と銀閣寺を塔頭(たっちゅう)に持つといえば、その格がお分かりになるだろう。
そして、これが招待状。
「売り申さず、お褒めいただきたく候」と書かれている。
したがって、展示会の場では買ったり、食べたり、触れたりすることはできず、あくまでも「見るだけ」である。
店側も自慢する気満々なため、鼻高々となっている(笑)
地下鉄・今出川駅で下車。
このような展示会に来る客はタクシーで来るのだろうが、筆者は電車である。
5分ほど歩くと、相国寺に着いた。
相国寺の境内図。中央の法堂(はっとう)が本堂である。
洛趣会は、方丈右横の「宗務本所」で開催されている。
本堂となる法堂。重文。
鐘楼。
展示会の案内板。
招待客のみとはいえ、すごい人、人、人。
結局、入場するのに30分ほどかかった。
出店されている方々。
皆さん、ご存知のお店もあるのでは?
玄関には「竹虎図」のついたて。
この後、尾形光琳の「竹虎図」も見に行く予定である。
「とらや」さん。
中庭。
誰もが知っている「聖護院八ツ橋」さん。
聖護院八つ橋さんも鼻高々。
筆者お気に入りの「いづう」さん。ここの鯖寿司は旨いので、皆さんにもおすすめです。
「あいば」さんの京うちわ。おそらく、うん万円するはずです。
織物の「川島」さん。
竹細工の「西河」さん。
おっ、これは俵屋宗達の風神雷神図ではないか。
欲しいけど、高いんだろうなあ、買えないんだろうなあ。
お茶席は混雑していたのでパスし、代わりに「とらや」さんのお菓子をいただいた。
「尾張屋」さんは出店されていたし、接待としてそばを提供されていた。
筆者ももちろんいただいたが、さすがに美味しかった。
「お代わり!」と言いたいところだが、図々しすぎるのでやめた。
すっかり目の保養をした後は、さらに見たかったものを見に行くことにした。
皆さんは、筆者のプロフィール画像のことをご存知でしょうか。
筆者はこの画像を自身のツイッターや LINE でも使っているのだが、これは京都国立博物館(通称キョーハク)のマスコットキャラクター「トラりん」である。
トラりんは、尾形光琳の「竹虎図」に描かれている虎であり、竹虎図はキョーハクに所蔵されている。
しかし、なかなか公開されておらず、ふらっとキョーハクに行っても見れるものではない。
その竹虎図が、京都駅近くの「龍谷ミュージアム」で公開されているというので、本物を見に行くことにした。
龍谷ミュージアムは龍谷大学(浄土真宗本願寺派)の施設であり、そのため、西本願寺の向かいにある。
現在、「日本の素朴絵」というイベントが行われており、その一環として「竹虎図」も展示されている。
ミュージアム内のカフェで腹ごしらえをする。
昼食後、ミュージアム内に入る。もちろん絵画は撮影禁止なので、撮影OKだったものを紹介する。
南天棒というお坊さんが描いた「雲水托鉢図」。
雲水(うんすい)というのは若い修行僧のことであり(「曹洞宗大本山 永平寺」の項参照)、
その雲水くん達が托鉢(たくはつ)をしている絵であり、とてもかわいい。
そして本物の竹虎図を見てきたが、写真撮影はできないので、購入したマグネットをご覧いただきます。
尾形光琳の虎ということで「トラりん」と名付けられた。
そして、これがキョーハクの「トラりん」。
今日はたくさん目の保養ができ、大変満足な一日であった。
帰りにお土産用として、京都駅の伊勢丹で「阿闍梨餅」を買って帰宅した。
洛趣会というのは名前は聞いたことがあったが、参加するのは初めての経験であった。
さすがに、名品ばかりであり、ずっと見ていたいという品がたくさんあった。
来年以降もぜひ参加したいが、そのためにはお得意様にならないといけないな。
そんな日が来るのだろうか。