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比叡山延暦寺

比叡山延暦寺・十二年籠山行の侍真さま、満行される

十二年籠山行とは

比叡山延暦寺ではたくさんの修行が知られていますが、その中で最も厳しい修行といえば、千日回峰行と十二年籠山行(ろうざんぎょう)だといわれています。

十二年籠山行とは、浄土院というお堂に籠(こも)り、十二年間伝教大師・最澄に仕える行のことで、その間浄土院から一切外に出ることはないといわれます。

十二年籠山行を行じておられる僧侶は侍真(じしん)僧とよばれ、他の僧侶から崇敬されています。

浄土院に行かれたことがある人ならお分かりだと思いますが、浄土院の庭は侍真さまによって非常にきれいに掃き清められていて、その行のことを「掃除地獄」とよぶ人もいます。

十二年籠山行について、さらに詳しく知りたい方は、宮本祖豊・前侍真僧の著書に詳しく書かれています。
十二年籠山行に入る前には、好相行(こうそうぎょう)という仏様が見えるまで祈り続ける厳しい行を達成しないといけないのですが、そのときにドクターストップがかかったことなど、行の厳しさが生々しく書かれていました。

 

十二年籠山行と浄土院

僕は、以前延暦寺境内を歩いていて、浄土院を参拝した時に現・侍真僧である渡部光臣さまをお見かけしたことを以前のブログでご紹介しました(比叡山延暦寺 登山 無動寺坂コース)。

非常に清々しいお姿だったことが印象に残っています。

浄土院の境内に入ると、きれいな庭と共に拝殿が目に入ります。
それでも、ここから十二年間外に出ずに最澄さんに仕え続けるというのは、やはりすごい行なんだなと思います。

 

↑ は拝殿ですが、この写真の右側から裏に回ることができ(ただし静かに進んでくださいね)、拝殿の裏に ↓ の伝教大師・最澄の御廟があります。

 

 

十二年籠山行満行

本日2021年4月1日、渡部光臣さまが十二年籠山行を満行されたというニュースが流れました。

侍真さまは、2009年から浄土院でひたすら行を続けて来られたというのですから驚きという他ありません。

ただ、この話には続きがあって、十二年籠山行はたとえ十二年間の行を終えたとしても、最澄さんに仕える人が途絶えることは許されません。
ですから、次の侍真僧が見つかるまでは、今の侍真さまが仕え続けないといけないのです。
話によると、まだ新しい侍真僧は見つかっていないということなので、渡部光臣さまはまだしばらく浄土院でお仕えになるのだと思います。

浄土院は、東塔エリアからは少し離れていて、観光地とはほど遠い雰囲気となっています。
菩提樹と沙羅双樹が植えられていて、極楽浄土のような気分を味わえますので、ぜひ一度足を運ばれてみてください。
ただし、延暦寺の中でも特に聖域ですので、静かにお参りしてくださいね。

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