京都の紅葉狩りも終盤であり、登山も含めながら東山近辺を歩いてみた。
コースは、
御陵駅→天智天皇陵→本圀寺→琵琶湖疏水→毘沙門堂→大文字山→銀閣寺→哲学の道→永観堂→南禅寺→行者橋→東山駅
歩行日:2018年12月2日
出発地:京都地下鉄・御陵駅(8:40)
到着地:京都地下鉄・東山駅(17:00)
総歩行距離:18.3 km
本日の出発点は地下鉄・御陵(みささぎ)駅。
駅名から分かるようにこの近くには天皇陵がある。
御陵駅2番出口を出て、東へ5分ほど歩くと天智天皇陵入口に到着した。
管理するのは宮内庁。
5分ほど直線の道を進む。
やがて御陵が見えてきた。
天智天皇(中大兄皇子)は中臣鎌足と共に豪族・蘇我入鹿を暗殺するクーデターを起こし、
645年の大化の改新を行った人物として有名であり、「日本」という国号もこのとき始まった。
ところで、各御陵には、御朱印ならぬ御陵印というものがあることをご存じだろうか。
筆者もいずれは集めてみたいと思っている。
御陵を出て左に見ながら北に進み、石段を上る。
琵琶湖疏水に到着。
しばらく疏水を西に進むと朱色の橋が見えてきた。
この橋は正嫡橋とよばれ、本圀寺(ほんこくじ)への参道へと続いている。
仁王門。数年前までは金ぴかの寺として有名だったそうで、仁王門の金剛力士像やしゃちほこも金ぴかだったとか。
今は塗りなおされているが、それでも金ぴかの名残がうかがえる。
金ぴかだった梵鐘も塗り直されているが、内側は金ぴかのままだった。
本堂。本尊は釈迦如来。本圀寺の宗派は日蓮宗であり、本堂の横には日蓮上人の銅像がある。
本圀寺を出て、疏水を東へと進む。晩秋とは思えないほど紅葉が燃えている。
しばらく歩くと安朱橋が見えてきた。安朱橋を渡ると毘沙門堂参道へと続いている。
安朱橋を渡ると右手に「京小町もり」という、ちりめん山椒の店がある。
HP を見て来たと言うと、おかみさんに大層喜んでいただけた。
ちりめん山椒とシイタケの佃煮を買ったが、両方ともあったかいご飯には抜群に合った。
しばらく行くと、毘沙門堂の石碑に到着した。この石碑は後西天皇みゆきの際に授けられたもの。
毘沙門堂は天台宗五門跡の一つである。
門跡(もんぜき)とは、皇族が住職を務めた寺院のことで、要するに非常に格式高いお寺ということになる。
以前、このブログで挙げた仁和寺も門跡寺院。
石段を上ると、仁王門が見えてくる。
毘沙門堂の本尊はもちろん毘沙門天。
伝教大師最澄が比叡山延暦寺の本尊である薬師如来像を彫ったときに、余った木でここの毘沙門天像を造ったとされている。
秘仏のため、御前立ちしか拝見できないが、厨子の中の本尊・毘沙門天像はわずか7-8cmほどとのことであった。
また、門跡寺院らしく、宸殿(しんでん)と勅使門がある。
宸殿の中も拝観したが(撮影禁止)、動く襖絵がトリックアートのようで面白かった。
これは宸殿から見える庭園。
宸殿から弁天堂の方向を撮影した。さすが「そうだ 京都、行こう」のモデルになっただけのことはある。
仁王門を別の角度から。
仁王門から下を見ると、勅使門がうかがえる。
天皇陛下とそのお使いのみ通ることができる門なので、普段は「開かずの門」となっている。
毘沙門堂から少し西にいくと、毘沙門堂の塔頭(たっちゅう)寺院である「山科聖天(やましなしょうてん)」がある。
山科聖天の本尊は「大聖歓喜天(聖天)」。
また、ここの不動明王像は信長の比叡山焼き討ちの際に損傷した仏像を不動明王として再生したといわれている。
お滝不動尊なるものもあったので、お不動さんマニアの筆者としてはぜひ見に行かねばならない。
滝が流れており、その側にお不動さんが祀られていた。
山科聖天の西側から大文字山への登山道が始まっている。
2018年9月4日の台風により、かなりの数の倒木があるとは聞いていた。
先人が迂回図を貼ってくれていた。
毘沙門堂から大文字山へはAコースとBコースがあるらしい。
Aコースはご覧の通り、倒木をまたいだり、くぐったりしないといけない。
この先おそらく行けるのだろうが、安全と体力を考えて筆者はUターンした。
本日はBコースを進むことにした。
後山階陵(のちのやましなのみささぎ)を通る。
藤原順子(仁明天皇の皇后で文徳天皇を生む)の墓。
途中、このような岐路がいくつかあったが、目印があるので迷うことはなかった。
しかし、スマホのGPSが大いに役立ったことは言っておかないといけない。
倒木はだいぶ整理されている。先人に感謝。
大文字山の山頂に到着。標高466m。
山頂からの景色。
15分ほど北に向けて下りると、五山送り火の「火床(ひどこ)」に到着した。
これは「大」の字の一番上の部分から見た風景。手前には吉田山。遠くには御所が望める。
「大」のてっぺんから下りていく。
ボランティアのおじさんが「ここは「大」の中心部分で、みんな大の字のポーズをとるんだよ」と教えてくれたので、
筆者もやってみた。
裏には弘法大師を祀った祠があった。
大文字山を下りる。右に見える青いのは、送り火のときに薪を運搬するためのリフト。
山を下りると、そこは銀閣寺。
みたらし団子を食べて休憩。
哲学の道を南へ進む。
哲学の道といえば西田幾多郎。「人は人、吾はわれ也、とにかくに吾行く道を吾は行くなり」
本日の紅葉のハイライトは朝方の琵琶湖疏水、毘沙門堂、そして、ここ哲学の道であった。
もちろん、永観堂の紅葉も見事であったが、人が多くて写真撮影するのが難しかった。
この時は昼の部の終了間際で、この後夜間拝観がある。
南禅寺の三門に到着。京都三大門のひとつ。
桜の時期に来て、石川五右衛門のように「絶景かな絶景かな」と言ってみたい。
水路閣。当時、寺の境内にレンガ造りの建物を建てることにかなり異論が出たそうだが、
今となっては明治モダンの雰囲気をよく伝えている。
方丈庭園
蹴上インクライン(傾斜鉄道)。疏水を走る舟を運ぶための鉄道跡。
南禅寺参道を西へ進む。
しばらく行くと、坂本龍馬とお龍が祝言を挙げた場所があった。
東山駅に行く前にもう一つ見たい場所があったので、疏水に沿って南西に向かう。
着いたのが「行者橋」。比叡山延暦寺の千日回峰行者が「京都大廻り」の際、この橋を通って京の都に入る。
狭いし欄干がないので、酔っ払っていると落ちるかも。
古川町商店街を北上する。
本日のゴール。地下鉄東山駅。すっかり暗くなっていた。
12月に入ったのでどうかなと思っていた紅葉も、見ごろとなっていた場所が多いのに驚いた。
紅葉シーズンも間もなく終わり、京都の観光客も少しずつ減っていくのだろう。
本日のルート