歩行日:2018年11月10日
出発地:JR尾道駅(8:30)
到着地:JR尾道駅(15:00)
総歩行距離:9.3 km
記念すべき第一回歩行記。
尾道は古くから村上水軍や北前船など瀬戸内海交通の要衝として栄えた町であり、
航行安全の願いが信仰となり、多くの神社仏閣が建立された。
そのうちの七つの寺院を巡る「七仏巡り」が企画されていたので、尾道駅から歩いてみた。
参拝順序は自由なので、今回は西から持光寺→天寧寺→千光寺→大山寺→西國寺→浄土寺→海龍寺の順に歩いた。
閉門時刻までに七つの寺を全て拝観できるか不安だったので、早起きすることにした。
6時半起床。宿泊ホテルの窓から見た尾道水道。対岸に見えるのは向島。
朝食。和と洋が混在してるな。手前の黒いのは尾道特産の海苔。
尾道駅の駅舎は改修中で来春リニューアルオープンとのこと。山頂に見えるのは廃墟となった尾道城。
至る所に石道標が立っており、一連の旅を通じて迷うことは少なかった。
さあ、それでは出発!!
25 もの古刹がほぼ隣接しており、それを石畳の道が結んでいる。
持光寺山門手前にある二階井戸。坂の町であるため、1階からでも2階からでも水が汲めるようになっていた。
持光寺山門は石造であった。尾道は良質の花崗岩の産地であるためだろう。
ここはあじさい寺としても有名なのだそうだ。6月頃に来れば楽しめるかな。
持光寺は浄土宗なので、本堂には阿弥陀如来が祀られている。粘土をぎゅうっと握って作る「にぎり仏」を作ることもできるらしい。
参拝後は「七仏巡り」オリジナルの御朱印色紙を購入した。御朱印と合わせて800円也。
石畳の道を進み、次のお寺へ。
天寧寺は曹洞宗らしく「天寧禅寺」と書かれていた。山門は石と木で作られたもの。
五百羅漢は圧巻であった。
ここは足利氏ゆかりの寺であり、三代将軍義満公も宮島参詣の帰路で宿泊した。
塔婆(三重塔)は尾道のランドマーク的存在。
遠くに見えるのはしまなみ海道。ブラタモリでも紹介された風景。
千光寺山中腹にある「みはらし亭」は大正10年建築の邸宅だが、カフェになっているようだ。
真言宗千光寺の本尊は千手観音。
朱塗り唐づくりの鐘楼。遠くに尾道水道としまなみ海道が望める。
厳つい愛染明王とハート型の絵馬が何とも不釣り合い。
リラックマの絵馬はいかにも観光寺らしい。
梵字岩。五代将軍徳川綱吉公の命によるもの。中には光明真言と大日如来真言が彫られている。
室町時代に製作された阿弥陀三尊の摩崖仏。千光寺の代表的石仏。ちょっとスリムな阿弥陀さん。
桂由美さんは全国に「恋人の聖地」を作るプロジェクトを応援しているらしいが、千光寺にも。
文学のこみちにある林芙美子の碑。彼女は尾道の尋常小学校と高等女学院を卒業したらしい。
他にも正岡子規や十返舎一九、金田一京助などたくさんの石碑があった。
途中、たくさんのネコちゃんに会った。それにあやかった招き猫美術館と雑貨屋。
ネコちゃん発見。
四つ目は真言宗大山寺(たいさんじ)。本堂は残念ながら閉まっていたので、寺務所で御朱印をいただく。
鐘楼
みてご猿 いうてご猿 きいてご猿 まえむき猿 でご猿 (五猿)
21世紀の新三猿像らしい。新しい庚申信仰かな?
五つ目は真言宗醍醐派大本山の西國寺。この仁王門には巨大な草履が祀ってあった。
健脚祈願のお寺だそうだ。
右ひざを痛めているのでお祈りしておこう。
金堂(重文)。中には薬師如来が祀られている。
お不動さん(青銅大不動明王)
もう一つの重文である三重塔へは台風被害のため、通行止めになっていた。
城壁のような石垣。
七仏のうち、五寺の参拝を済ませた。残りは二つ。
残りの二つの寺院は尾道市内でもかなり東方にあり、土曜日だというのに人影はまばらであった。
真言宗浄土寺は聖徳太子によって616年に建立されたと伝わる古刹。
この山門は国の重要文化財。
本堂(国宝)には十一面観音菩薩が祀られている。
多宝塔も国宝。
阿弥陀堂は重文。
浄土寺の境内。左は寺務所。
護摩堂もあった。お堂の中のお不動さんにお目にかかりたいと思っていたら、中央下にお不動さんらしき仏さんが。
右側は天照大神を祀ったお社。お寺の境内に鳥居があるのも日本土着の神仏習合ならでは。
↑の写真のアップ。やはりお不動さんだった。
文殊堂。頭が良くなりますように。。。
最後のお寺は真言宗海龍寺。ここは技芸上達を祈願するお寺。
これにて無事に満願成就。「満願成就」の印と紙掛け軸をいただいた。
実はこれで終わりではなく、浄土寺には浄土寺山山頂に奥の院があるのでそこに行くことにした。
海龍寺の裏手に鎖山があるので、行ってみると、、、
はい、私には無理です。素直に左側の観音小道を行くことにした。
このような参道(山道???)を登っていく。
途中、たくさんの観音(聖観音、千手観音、十一面観音)が祀られており、その度にそれぞれの真言を唱えていった。
「オン マカキャロニキャ ソワカ」
そして、私が一番見たかった仏さんがついに現れた。
右手に剣、左手に羂索を持っておられ、まぎれもなく不動明王!
高さは 4-5 mはあるだろう。
本旅のハイライトなのでアップ写真を。
しばらく行くと、展望場所があった。ここまでずっと登りづめだったのでしばし休憩。
尾道水道が輝いている。遠くの山々も美しい。右側が尾道市内。左側が向島。
ここまで東に来ると、しまなみ海道もはっきり見える。
浄土寺奥の院に到着。ここには薬師如来が祀られている。
さらに少し登ると展望台があった。ここまで登山中、誰にも会わなかったし、山頂展望台でも誰もいない。
手前に見えるのは先ほどの奥の院。それでは山を下りるとしよう。
麓に降りると14時前だった。朝から何も食べていないので、行列ができるという尾道ラーメン屋「朱華園(しゅうかえん)」へ。
20人くらい並んでいたが客の回転が速く、15分くらいで入ることができた。見た目ほど脂っこくなく、背脂が美味かった。
こしのあるチキンラーメンと言ったら怒られるか。
その後、徒歩で商店街アーケードを進んで尾道駅へ。軌跡はこの通り。
尾道は古寺が多く、古いものでは聖徳太子の時代(西暦600年代)に建立されたものもあった。
今旅は七つの寺院を主に参拝したが、千光寺を除いては紅葉シーズンの土曜日にも関わらず、静かに参拝できた。
他にも魅力的な神社仏閣がたくさんあるし、また、別の時期に桜や紫陽花を見に来るのもいいだろう。
再訪するのが楽しみになった。