毎年7月半ばから京都では祇園祭で大いに賑わうのだが、
ちょうど同じ時期に比叡山延暦寺では葛川夏安居(かつらがわげあんご)という荒行が行われる。
信者や信徒は随喜できないので、修業の詳細は行者以外誰も分からない。
このブログを書いているちょうど今がその修業の真っ最中なので、テレビ放送から修業の概要を紹介したい。
千日回峰行は相応和尚(そうおうかしょう)が始め、最初は無動寺谷に住んでいたが、その後静寂の地を求めて葛川息障明王院に移ったという。
その相応和尚が始めた葛川での参籠(さんろう)が夏安居(げあんご)と称して毎年7月16日ー20日まで行われている。
千日回峰行者や百日回峰行者が5日間葛川息障明王院に籠って、断食修行や滝行などの厳しい修業が行われているらしい。
写真は道路沿いの信者にお加持をする行者たち。
出発地は、比叡山の麓の坂本にある生源寺(しょうげんじ)。伝教大師・最澄が生誕した場所である。
坂本から葛川息障明王院までの 30km を歩く。
花折(はなおれ)峠の急坂を通る。
今年回峰行をスタートし、百日回峰行を満行された行者さんは新行(しんぎょう)さんとよばれる。
百日回峰行はこの葛川夏安居を行じて初めて満行となる。
これが参籠の地、葛川息障明王院。大原よりさらに北に位置し、鯖街道沿いにある。
相応和尚はこの滝(三の滝)に不動明王を感得(かんとく)し、滝に飛び込んだといわれる。
葛川息障明王院のお不動さん。
7月18日の晩に行われる太鼓回し。
太鼓を滝に見立て、滝つぼに飛び込むように太鼓の上からジャンプする。
比叡山延暦寺には、回峰行だけでなく、このような荒行が今現在も行われているのだということを知っていただければ幸いである。