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西国三十三所

西国三十三所観音巡礼 第三十二番札所・観音正寺

西国三十三所、長命寺の次は同じく琵琶湖の湖東に位置する観音正寺(かんのんしょうじ)である。

長命寺と同じく、観音正寺も開基は聖徳太子と伝わっている。

聖徳太子がこの地を訪れた際に出会った「人魚」の願いにより、一寺を建立したというものである。
その人魚は、前世が漁師であり殺生を業としていたために人魚に生まれ変わってしまい苦しんでおり、聖徳太子に自身を成仏させてほしいと懇願した。
聖徳太子はその願いを受けて観音正寺を建立し、自ら千手観音像を作って本尊としたというものである。

観音正寺には人魚のミイラが残っていたのだが、1993 年の火災により焼失してしまった。
この時には本堂、本尊ともに消失している。
現在では、慶派(運慶・快慶)の流れを汲む松本明慶により本尊の千手観音が造立されている。

焼失した人魚のミイラ

 

観音正寺の位置。
長命寺から車で30分ほどで観音正寺の駐車場に着いた。
裏参道の方が停めることができる台数が多いと聞いて裏参道を使ったのだが、それでも道幅は狭く「対向車こないでくれ」と祈りながらの運転であった。

 

駐車場に車を停めて本堂に向かう。
観音正寺の山号は繖山(きぬがささん)、宗派は天台宗系単立。
西国三十三所の第三十二番札所である。

 

観音正寺の境内図。右上が駐車場。

 

参道を10分ほど歩く。

 

頭のないお地蔵さま。折口が真新しいので廃仏毀釈のときのものではなく、台風などの自然災害によるものだろう。

 

観音さま

 

まず、奥の院に着いてしまった。
この山は巨岩・奇岩が多く、それがご神体となっている。
今日は登山靴を履いていないので、奥の院までの登山は断念する。

 

新幹線が通るのが見える。

 

おそらく合戦の砦(とりで)として使われていたのだろう。
石垣が残っていた。
近くには観音寺城跡がある。

 

ねずみ岩とよばれる巨岩。

 

境内に着いたようだ。

 

鐘楼

 

山門はなく、仁王さまが出迎えてくれた。
奥に見えるのが本堂。

 

これは庫裏かな

 

かやぶき屋根の北向き地蔵さま

 

大日如来さま

 

お釈迦さま

 

手水舎。観音水とよばれる。

 

観音堂

 

護摩堂ではお不動さまをお参り。

 

そして、焼失後、平成16年に完成した本堂。

 

ご本尊は現代の大仏師・松本明慶により造立された千手観音さま。
テレビ放送からご紹介する。

 

観音正寺の御朱印。人魚の朱印が押されている。「大悲殿」
ご詠歌は「あなとうと 導きたまえ観音寺 遠き国より 運ぶ歩みを」。

 

あと、角大師さまのお札をいただいた。

 

本堂を再建したとき、右側の山を少し削ったのだそう。
その時、巨岩がたくさん出てきたので、山の他の部分からも石を運び、「石の曼荼羅」を作られたとのことだった。
石に仏さまを感じてください🙏

 

水掛け観音さま

 

石垣側から本堂を望む。

 

ご神木。

 

ご神木の裏側にも祠があった。

 

平成16年に本堂が再建されたと聞いていたので、どうなのかなと思いながらの参拝だったが、想像以上に重厚感があり、お堂自体は言われなければ最近建ったものとは思えないほどだった。

今後も、閼伽井堂(あかいどう)と観音堂が新たに建立される予定とのことなので、それが完成したらまた行こうと思う。

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