この日最後の巡礼地は二十七番札所の書写山・圓教寺(えんぎょうじ)である。
参拝日:2020年9月22日
いつもなら、登山しながら上りたいところなのだが、今日は三つのお寺を参拝するということだったので、ロープウェイで上ることにした。
圓教寺は兵庫県姫路市に位置する。
13:30、ロープウェイ乗り場に到着。
山頂にある寺なのでコンパクトかなと考えていたが、想像していたよりも広そうである。
切符代は往復1,000円。
ロープウェイがやってきた。
この日は連休で、他の行楽地はたいそう混んでいたとのことだが、
書写山のロープウェイはご覧の通り。
書写山の標高は371m。遠くに姫路市街が見える。
4分ほどで山上駅に到着。
「一隅を照らす」という最澄さんの言葉を見ると、天台宗のお寺に来たことを実感する。
鐘楼。
ロープウェイ山上駅から仁王門まで10分くらい歩く。
良い汗をかきながら、仁王門に到着。
圓教寺(えんぎょうじ)の山号は書寫山(しょしゃざん)。宗派は天台宗。
開基は性空上人(しょうくうしょうにん)。
西国三十三所の第二十七番札所である。
壽量院。境内で最も格式の高い塔頭(たっちゅう)であり、後白河法皇も参籠されている。
現在ではここで精進料理をいただくことができる。
本堂に向けて歩を進める。
圓教寺の本堂となる摩尼殿(まにでん)。本尊は如意輪観音(にょいりんかんのん)。
ここも一乗寺と同じく舞台造りとなっている。
堂内は写真撮影禁止なのでテレビ放送からご紹介する。
圓教寺の御朱印。「摩尼殿」と書かれている。
ご詠歌は「はるばると のぼれば書寫の 山おろし 松のひびきも 御法なるらん」。
摩尼殿の横を通って大講堂の方へ向かう。
南無阿弥陀仏。
広場に出た。
圓教寺の「三つの堂」。右が大講堂、奥が食堂(じきどう)、左が常行堂である。
手前右には本多家の廟所がある。
本多家といえば忠勝が徳川家康の重臣として関ヶ原合戦等で活躍したことが知られる。
忠勝の息子や孫が姫路城城主であったことから、ここで祀られている。
本多忠勝廟。
大講堂。山上によくもこんな巨大な伽藍を建てたものだと感心させられる。
これは僧が寝泊まりする食堂(じきどう)。内部に入ることができる。
お不動さん💛
お薬師さんといつもの日光(にっこう)・月光(がっこう)さん。
常行堂。僧の修行道場。
鐘楼。
法華堂。法華三昧の行をおこなう。本尊は普賢菩薩。
筆者にはあまり聞き慣れない金剛堂。
さらに奥の院(開山堂)へ進む。
お不動さん💛
開山堂。開基の性空上人を祀る。
性空上人。平安中期の天台宗の僧。
開山堂の隣には護法堂(乙天社と若天社)。性空上人を守護した乙天と若天が祀られている。
下の写真は乙天社。
護法堂の拝殿。
弁慶は少年時代をここで過ごしたらしい。
少し遠いが書写山はなかなか来れないので、白山権現(はくさんごんげん)社まで行ってみる。
ちょっとしたハイキングの後、白山権現社に到着。
圓教寺のスイーツ巡礼は、書写千年杉をモチーフにしたバウムクーヘン。
来た道をテクテク歩いて戻る。
再度、ロープウェイに乗って下山し、帰途に就く。
今日は西国三十三所の二十五番(播州清水寺)、二十六番(一乗寺)、二十七番札所(圓教寺)を巡礼した。
播州清水寺と圓教寺については登山で行くこともできるので、健脚の方はぜひ歩いてご参拝ください。
筆者は今回は三寺とも初訪問だったので、どのくらい時間がかかるのか分からず、車とロープウェイを使ったが、
次回はぜひ歩いて訪れたいと思った。
兵庫県の古刹というとあまりイメージがわかなかった筆者だが、今回訪れてみて京都や奈良にも劣らない歴史と風格を備えていることを実感した。
開基の法道仙人や性空上人についてももう少し勉強してみようと思う。
さて、西国三十三所、次は日本海に向けて進み、天橋立を参拝しよう。