皆さま、大変お久しゅうございます。
前回のブログ更新から2か月も開いてしまい、「ブログ飽きたんですか」とか「体調崩されたんですか」等々、ご心配をおかけしておりました。
筆者びーやんは決して飽きたわけでも体調崩したわけでもございませんので、どうぞご安心ください。
その間、まあ一言で申しますと、単にさぼっていたわけでございます(^^;)
しかし、ツイッターやインスタやヤマップをご覧いただいた方はお分かりの通り、山歩き町歩きはさぼっておらず、毎週いろんなところに出かけていました。
これからどんどんブログを更新してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
さて、今回のブログは、ぜひ行きたいと思っていた奈良博三昧についてご報告します。
二か月以上も前の歩記ですが、ご覧ください。
8月14日、今日もまた雨である。
どうしたものかと思案したところ、ブログの読者様から奈良博でイベントが催されていることを教えていただいたことに気づいた。
博物館なら雨でも関係ないし、筆者は晴れの日に博物館や映画館に行くのは何かもったいないと考えてしまう思考の持ち主(貧乏性???)である。
というわけで、近鉄電車に乗って奈良国立博物館へと足を運んだ。
奈良国立博物館の位置。
興福寺や東大寺、春日大社に囲まれた奈良の中心地にある。
歩行日:2021年8月14日
出発地:近鉄・奈良駅(13:30)
到着地:近鉄・奈良駅(16:30)
今日は雨で、博文館は駅近にあるということで昼過ぎからのんびり出かけた。
出発は近鉄奈良駅。

近鉄奈良駅から東に進む。

右側は興福寺。


昨年と比較し、鹿くんたちの毛並みも良くなっている気がする。
鹿せんべいをたくさんもらっているのだろう。



興福寺の隣が奈良国立博物館(通称ならはく)である。
本日の楽しみは、奈良博三昧と金峯山寺(吉野)の金剛力士(仁王)像である。
4月に吉野を訪れた時に、仁王さまが奈良博に出張中であることを知った。

正面の建物が博物館。


とても仏像の博覧会とは思えないこの軽いノリがまた良い。

チケットを購入し、いざ中へ。
今回は全て撮影OKという太っ腹の企画である。

五体の公式キャラクターがいるらしい。

第1章から第10章まで分かれており、それぞれのテーマが子供にも分かるように説明されている。
しかし、密教を小学生に説明するのはほとんど不可能では???(筆者も分かりません)
















第9章は撮り忘れたがテーマは「南都ゆかりの仏教美術」


以下、200以上の展示品全ての写真をここに掲載するのは難しいので、筆者が興味をもった品のみ載せる。あしからず。
筆者は日本の平安・鎌倉時代の仏像を主に見てきたので、飛鳥時代の仏さまは新鮮である。
なんだかハニワのようなたたずまい。


びっくりしたようなお顔のお釈迦さま。


塼仏(せんぶつ)とは、粘土で型を抜き、焼いて作った板状の仏像のこと。


唐から伝わり、奈良時代に近畿地方でたくさん作られた塼仏の中のひとつ。


菩薩像の頭部片。


行基の墓誌断片。
奈良のお寺を回っていると「この寺院は行基によって開基された」とかいうのがいっぱいあるからなあ。



何の如来さまだろ?


観音さまも今まで見てきた仏さまとは違って見える。


こういうお顔を拝見すると、観音さまも未だ修行中であることが窺える。


これまた変わったお顔立ちの力士さん。



ようやく筆者がよく見る観音さまのお出ましである。



仏像だけでなく、このような経箱も展示されている。
この箱は国宝😲


紫地に金色の文字が美しかったので撮ってみた。
子供向けの説明も合わせて展示されていた。
筆者にはこの方が分かりやすいかも(笑)



これは塔の形をした経筒。
筆者は、胎内仏やこの仏さまのようにひっそりと隠された仏さまに惹かれる。




いつも象にまたがっておられる普賢菩薩さま。



文殊菩薩さま



いつもアンニュイな表情をしておられる如意輪観音さま。



愛染さま!



そして、われらがお不動さん。



如意輪観音さまとその胎内に納められた経典。



お不動さまを中心とした五大明王。



降三世明王

軍荼利明王

大威徳明王

金剛夜叉明王


またまた如意輪観音さま。



宝塔。プラモデルみたい。


ここからは密教で使われる法具。
お護摩のときによく鳴っているのを聞きます。チリーンチリーン。


五鈷杵、三鈷杵、独鈷杵などの金剛杵。






転法輪筒



阿弥陀浄土の曼荼羅。
この曼荼羅に対して子供向けの説明があるのがすごい。




阿弥陀さまとお地蔵さま。




以前の六道絵でもご紹介したが、筆者はこの手の絵に惹かれる。
地獄草子の絵図。
これにも子供向けの説明があるのが面白い。



ウジがかわいい。
この絵が国宝というのがすごい。

函量所地獄は、計量を不正に行い、暴利を貪った者が堕ちる地獄。
ここでは、罪人は三つ目の老婆の鬼に監視されながら熱い鉄の火の炭を計らされ続ける。

四人の獄卒たちが罪人を大きな「磑(うす)」で罪人たちの体を砕き、バラバラになった体の血を洗い流している場面が描かれている。
火をまといながら火を吐く、巨大な鶏につつかれる鶏地獄。
生前に動物を虐待した者が落ちる地獄。

生前、放火の罪を犯した者が落ちる黒雲沙地獄。

汚いものと分かっていて人に与え、食わせた輩が、この膿血所に落ちる。
国宝の辟邪絵(へきじゃえ)も見たいのだが、これは後期に 展示ということだったので今日は断念。
代わりにコピーが展示されていた。

辟邪絵五幅は、邪悪な鬼類を退治する五つの辟邪神(天刑星・鍾馗(しょうき)・栴檀乾闥婆(せんだんけんだつば)・神虫(しんちゅう)・毘沙門天(びしゃもんてん))を描く一巻の絵巻が、
切断されて掛幅に改められたものである。
これは栴檀乾闥婆。

毘沙門天。
ふだんは宝塔と槍を持っておられるので、弓矢を持った毘沙門さまは初めて見た。

鍾馗

神虫

天刑星。酢に漬けたら美味いらしい。

国宝の薬師如来。
神社にお薬師さまが安置されていたというのは神仏習合ならでは。


春日神の使いの鹿の上に舎利が乗っている。
奈良の神仏習合をよく表わしていると思う。



藤原鎌足像。
春日大社は藤原氏の氏神である。



比叡山と日吉大社は神仏習合の有名な例ではあるが、それが奈良国立博物館に展示されているのが面白い。



これは春日大社と興福寺の神仏習合。


春日大社の祭神を十一面観音の姿であらわしたもので、これも神仏習合の名残。
そういえば、北野天満宮の十一面観音さまも勝林院に安置されていたことを思い出した。



そしてこれが奈良博三昧のメイン展示の「伽藍神立像」。
人間的なお顔をしておられる。





かめはめ波を打つ悟空のような、力強い踏み込み。



今年は聖徳太子没後 1,400 年で、法隆寺や四天王寺で特別法要が営まれている。



親鸞上人



奈良国立博物館といえば校倉造りの正倉院。


兜跋(とばつ)毘沙門天。
確かに東寺の毘沙門さまに似ている。




愛染さま



十一面観音さま




ここからは奈良博が持っているコレクションが展示されていた。
まずは土偶。


縄文土器



弥生時代の銅鐸。


人と犬の埴輪。





最後に、今年の春に訪れてそのとき留守だった吉野・金峯山寺の仁王さまはここにおられた。





奈良博を堪能して後にする。

近鉄・奈良駅から帰途に就く。

全展示物が撮影可だったので、欲張りな筆者は200枚以上も写真を撮ってしまった。
しかし、学芸員さんの努力で一般人にも何とか楽しさを理解してもらおうという心意気がひしひしと感じられた。
筆者も山歩き町歩きの楽しさを分かってもらうために、ブログの更新をさぼっている場合ではないな(^^;)