「六甲おろし」で知られるように、六甲山は大阪や神戸の人にとっては非常に馴染みの深い山であり、休日ともなると多くのハイカーで大賑わいとなる。
筆者のブログでも芦屋から六甲山頂を経由して、有馬温泉に下山するルートについて紹介したことがある。
このルートは「魚屋道(ととやみち)」とよばれ、その昔神戸の海で採れた魚貝を魚屋がこの道を通って有馬まで運んでいたためにこのような名が付いている。
六甲山には上記のようなよく知られたルートもあれば、知る人しか分からないといったルートも沢山あり、一説には100以上もの登山ルートがあるといわれている。
登山ルートは、一般登山ルートとバリエーションルートに分けられる。
一般登山ルートはその名の通り、整備された登山道のことで、「yamap」や「山と高原地図」などでは赤色の実線で表されている。
一方、バリエーションルートとは、ロープ等が必要な、より登攀(とうはん)が困難なルートのことをいい、地図では破線で表記されていたり、あるいは地図には掲載されなかったりする。
今日の歩記は六甲山でも一般登山ルートから外れたものであり、筆者のブログでは初めて破線ルートの山歩きとなる。
歩行日:2022年1月15日
出発地:JR 芦屋駅(08:15)
到着地:JR 芦屋駅(17:50)
総歩行距離:14.5 km
今日のルート。
「高座の滝」から一般登山ルートを外れ、破線ルート(芦屋地獄谷)に入るルート。
地獄谷から万物相を通って、再度一般登山道に合流するが、すぐにまた別の破線ルートに入って荒地山に向かう。
歩行軌跡はこちらからダウンロードできます。
8:15、今日のスタートは JR 芦屋駅。
芦屋川に沿って北に進む。
案内にしたがって進む。
9:05、滝の茶屋に到着。ここから六甲登山道は始まる。
5分ほど一般登山ルートを進む。
9:10、高座の滝に到着。
高座の滝の横には護摩堂。
護摩堂と金玉大明神という社で道中の安全を祈願する。
回峯三千日行満記念と書かれているが、何かの回峰行だろうか。。。
高座の滝にはロックガーデンの名付け親・藤木九三氏のレリーフ。
9:15、少し見にくいが、この案内板が出てきたところで、一般登山ルートから外れて地獄谷の方へ下っていく。
地獄谷ルートの出発地点。
先方には土砂崩れ感知のセンサーがあるので、触れないように跨いで進む。
少し寄り道して上の写真で左上に進んでいき、ゲートロックというクライミングロックを見物に行く。
筆者は登れないが、クライミングに慣れた人はこの程度ならロープなしで登っていく。
この岩を初めて登るのであれば、経験者と行ってザイル(ロープ)とヘルメットも必要だろう。
試しに少しだけ登ってみる。
というわけで、地獄谷に戻ってきて登山開始。
バリエーションルートなので、決められたルートはない。
基本は滝を直登していき、無理そうなら左右の巻き道を探すというやり方で進む。
今日は4人のパーティー。
筆者は、仲間が登っていくのを確認しながら一番最後に進む。
途中で休憩。
10:50、小便滝が見えたところで地獄谷は終了。
今日は水量が少なく、チョロチョロとしか流れていない。
小便滝の先には堰堤があり、ここから右に進み、尾根(=一般登山ルート)に向かって上っていく。
しばらく登っていくと岩場に出る。
遠くに人が見えるがその上にある奇岩群が万物相(ピラーロック)。
万物相に向かって岩場を進んでいく。
12:20、万物相が近づいたところでお弁当タイム。
芦屋市、西宮市、尼崎市、そして大阪市が見える。
今日のお弁当は、芦屋駅で買ってきた六甲縦走弁当。
万物全ての様相を表現するという万物相(ばんぶつそう)。
侵食された花崗岩が切り立ってできたものだが、それにしても不思議な形をしている。
12:50、一般登山ルート(魚屋道)と合流すると、筆者たちが歩いてきた道は難路と書かれていた。
合流して 10m 程進んでから、再度破線ルートに入る。
破線ルートを進むと案内表示が出てきた。
キャッスルウォール方面へ進む。
案内板はあるがバリエーションルートなので、道は整備されていない。
13:13、ロッククライミングのメッカ、キャッスルウォールに到着。
ここはロープなしでは無理だろう。
キャッスルウォールの左の巻き道を上っていく。
次は岩梯子(いわばしご)に向かって進んでいく。
13:45、岩梯子に到着。
垂直に登る道だが、足場はあるので直登できるだろう。
難しい人には右側に巻き道がある。
では、岩梯子を上っていく。
その次は、新七右衛門嵓というくぐり岩。
ザックを背負ったままだと通れないので、先にザックを通してからくぐる。
14:20、テーブルロックに到着。
せっかくなのでテーブルロックの上でティータイム♪
クサリ場。
ネコちゃん
今日はまだピークを踏んでいないので、山道を進む。
遅くなったが、15:15、荒地山の山頂に到着。
15:25、なかみ山山頂に到着。
魚屋道(ととやみち)に向かう。
15:50、風吹岩に到着。ここからは一般登山ルートなのでホッと一息。
17:05、滝の茶屋まで下りてきた。
住宅街を歩き、、、
阪急・芦屋川駅を通り、、、
17:50、JR 芦屋駅まで戻ってきた。
芦屋駅でしゃぶしゃぶを食べて帰宅。
山歩きは体力だけでなく技術も必要なので、それをトレーニングするには良いコースだと思った。
例えば修験道の行者道として知られる大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)なんかは、もっと険しい道を進むと聞く。
筆者もいつかはそのような道も歩いてみたいと思うが、体力も技術も知識もまだまだだな(^^;)