この日は先に鞍馬寺を参拝し奥の院を通って貴船に下りてきた。
貴船神社の位置。
あらかじめ申し上げておくと、ここの地名は貴船(きぶね)で、ここを流れている川は貴船川(きぶねがわ)ではあるけれども、ここにある神社は貴船神社(きふねじんじゃ)である。
これは貴船神社の神様が水の供給を司る神様なので、いつまでも水が濁らないようにという願いを込めて「きふね」とよばれている。
参拝日:2021年3月7日
鞍馬寺の奥の院を参拝し、西門から出てきた。
100m ほど北に行くと貴船神社の鳥居に着く。
ここでも5人でパシャリ。
石段を上っていく。
馬の石像が出迎えてくれた。
昔は本当に馬を奉納していたのだが、それが絵馬を奉納することになった。
貴船神社は絵馬発祥の地である。
左側が入母屋造(いりもやづくり)の拝殿、右側が流造(ながれづくり)の本殿となっている。
本殿は修復工事中。
拝殿で参拝する。
貴船神社本宮のご祭神は、水の神・高龗神(たかおかみのかみ)である。
高龗神は、古事記や日本書紀に出てくる。
「龗(おかみ)」は「龍」の古語であり、水や雨を司る神である。
京都屈指の名水として知られる貴船神社のご神水。
カルシウムを多く含み、一年汲み置きしても変質しないといわれている。
この水を目当てで来る参拝客も多いのだとか。
筆者も喉が渇いていたので飲んでみたが、たいそう美味しかった。
未だ一度も枯れたことがないそうだ。
貴船神社の名物(?)といえば、恐れ多くもご神水を使った水占いだろう。
200円でみくじを購入し、ご神水に浸すと文字が浮き上がってくる。
貴船神社の御朱印。
後で、奥宮も参拝するので、奥宮の御朱印も先にいただいておいた。
本宮を出発し、中宮(結社(ゆいのやしろ))へ向かう。
夏には貴船川の川床で懐石料理や流しそうめんが楽しめる。
5分ほどで中宮に到着。
結社(ゆいのやしろ)とよばれるくらい、縁結びの神様がおられる。
ご祭神は、磐長姫命(いわながひめのみこと)。
平安時代、和泉式部(いずみしきぶ)は「物おもへば 沢の蛍も我が身より あくがれいづる 魂かとぞみる」と歌った。
自分の夫との仲が上手くいかず悩んでいた時の歌で、沢で飛んでいる蛍も自分の魂かと思うくらいぼうっとしてしまいますという意味の歌である。
そして、和泉式部がここを参拝すると、不思議なことに夫婦仲が元に戻ったという伝説が残っている。
それ以来、恋を祈る社として知られている。
中宮の本殿。
天乃岩船。
貴船山の山奥で見つかった舟形の岩。
船は昔から唯一の交通手段として人と人とを結ぶ大切な役割を担っていた。
そのことから「船」と「縁結び」は非常に深い関わりがあるといわれている。
中宮を出て、和泉式部の「恋の道」を北に進み、奥宮へ向かう。
和泉式部も歩いた道である。
5分ほどで奥宮に到着。
楼門をくぐると最初に見えてくるのが、「連理の杉」。
杉と楓という、異なる種類の木が寄り添うようにして立っている。
男女の仲睦まじさを表しているという。
奥宮を参拝する。
ご祭神は、本宮と同じく、高龗神(たかおかみのかみ)。
拝殿の奥、本殿の下に龍穴があり、ここに「龗(おかみ)」は住まわれているのだろうか。
また、ここは牛若丸も参拝したことが知られており、打倒平家、源氏復興を祈願したのだろう。
船形石。
玉依姫(たまよりひめ)が乗ってきた黄船を人の目にふれぬように包み隠したといわれる石積みの遺構。
この小石を携帯すれば安全に航海できるといわれている。
末社の吸葛社。祭神に味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)を祀る。
雨の神様。
あと、貴船神社といえば、丑の刻参り発祥の地。
五寸釘でわら人形を打ち付け、呪いをかけるという風習は今も残っているのだろうか。
全ての参拝を終え、貴船口バス停まで30分歩く。
15:10、国際会館駅行きのバスに乗って帰宅。
鞍馬と貴船は、いずれも名だたるパワースポットだけあって、たくさんの気をいただくことができた。
避暑地としても有名なところなので、ぜひ暑くなってからでも流しそうめんを食べにお出かけください!