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愛宕神社参拝

愛宕(あたご)神社は全国に約 900 ある愛宕神社の総本社であり、京都市北西部にある愛宕山の山上に鎮座している。
祭神の中に加具土命(カグツチノミコト)があることから、火伏(ひぶせ)・防火に霊験のある神社として知られ、京都の民家や飲食店の厨房には「火迺要慎(ひのようじん)」と書かれた愛宕神社の火伏札が貼られている。
また、3歳までに参拝すると一生火災に遭うことはないという「愛宕の三つ参り」が知られており、幼児を背負ったお父さんが登山している姿を見ることができる。
さらに、千日詣りも有名であり、毎年7月31日夜から8月1日早朝にかけて参拝すると千日分の火伏・防火の御利益があると云われ、深夜にも関わらず数万人の参拝者で境内参道は埋め尽くされる。

 

明智光秀は本能寺の変の直前に愛宕神社に上り、おみくじを引いて 3 度目の「凶」のあと 4 度目にようやく「吉」を引いた神社として知られている。
次の日、愛宕山内の西坊威徳院にて連歌の会「愛宕百韻」を催し、その冒頭に「ときは今 あめが下しる 五月哉」という有名な歌を歌ったとされている。
そしてその後、「敵は本能寺にあり」という言葉を発して信長を討ったといわれている。

 

今日はこの愛宕神社に4年ぶりに参拝することにした。といっても、愛宕神社は標高 900m 以上の山上にあり、徒歩でしか詣でることのできない場所にあるため、少々気合を入れての参拝である。

 

歩行日:2020年12月12日
出発地:京都バス・清滝(きよたき)バス停(08:20)
到着地:JR 保津峡(ほづきょう)駅(12:50)
総歩行距離:12.0 km

 

今日のルート。
阪急電車・嵐山駅から京都バスに乗り、清滝バス停で降車し、登山開始。
愛宕神社を参拝した後は、JR 保津峡駅に向かった。

 

 

ヤマップによる登山データ。
丁石ごとに茶屋があったらしく、茶屋跡で休憩はできるが、基本的にひたすらの上り道。
消費カロリーは 2,328 キロカロリー。

 

 

7:50、阪急・嵐山駅に到着。
紅葉の名所はまだ楽しむことができるようだ。

 

 

 

有名な渡月橋からの車窓。今日も良い天気になりそうだ。

 

 

 

8:20、清滝バス停に到着。

 

 

 

歩行スタート。

 

 

 

愛宕神社の二の鳥居。
ちなみに、一の鳥居は愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)のもっと南にある。

 

 

 

ここから社殿まではおよそ 4km。

 

 

 

ここから 4km ほどひたすら上り道を歩く。

 

 

 

普通に往復すると約5時間かかる山道だが、当然のごとく全て自己責任である。

 

 

 

 

このような案内・励まし(?)板が 100m おきに 40 枚並んでいる。

 

 

 

最初から結構な急登である。

 

 

 

ご神木。

 

 

 

お地蔵さんも見守ってくれている。

 

 

 

参詣道中には、このような茶屋跡地がたくさんある。

 

 

 

石垣が見えてきた。ここも茶屋跡である。

 

 

 

休憩所。

 

 

 

「なかや」という茶屋兼宿屋の跡地。

 

 

 

引き続き上っていく。

 

 

お地蔵さま。

 

 

 

昭和4年-19年までケーブルカーが通っていたらしい。

 

 

 

少し開けてきた。

 

 

 

京都市の街並み。

 

 

 

ほんのわずかな平坦道。

 

 

 

木が根こそぎ倒れているのを眺めていたら、、、

 

 

 

下ネタと共に注意されてしまった。。。

 

 

 

愛宕参詣道では、登山中に人とすれ違う時、「おのぼりやす」「おくだりやす」と言う。
この日は他の山道と同様、「こんにちは~」が多かったが。

 

 

 

水尾別れという分岐点まであと少し。

 

 

 

10:02、水尾別れの休憩所に到着し、少し休憩。
愛宕山に至るルートはいくつかあるが、この水尾別れで表参道に合流する。

 

 

 

花屋さん。樒(しきみ)を売っていたとのこと。

 

 

 

体育会系の励まし、嫌いじゃないです。

 

 

 

しかし、アドレナリンも枯渇するほどの急坂だ。

 

 

 

ゴミ子ちゃんは、ゴミ箱男に愛想をつかして家出したようだ。

 

 

 

がんばります!!

 

 

 

承知しました!!

 

 

 

黒門が見えてきた。

 

 

 

10:24、黒門に到着。
かつては神宮寺も建っていたが、明治初めの神仏分離令によって破却されたらしい。

 

 

 

このお方、背中のポリタンクに水を満タンにして登っておられたが、すごい体力だな。
神さま仏さまへの水の奉納であるとのこと。

 

 

 

とうとう着いたぞ。今日はきつかった。

 

 

 

平坦道を進む。

 

 

 

41/40 だと!?
火迺要慎(ひのようじん)。

 

 

 

ここの左側には厠がある。

 

 

 

自販機も設置されていたが、ここまで飲み物をどうやって運ぶのだろうか。
一本200円と山上価格だったが。。。

 

 

 

愛宕山に棲む大天狗・太郎坊がいのしし(神使)にまたがって疾走する絵が描かれた絵馬が
後で参拝する若宮社に展示されている。
明智光秀は、この太郎坊の前で吉が出るまで何度もおみくじをひいた。
また、伊達政宗の愛宕信仰は篤く、家臣である片倉小十郎の兜には「愛宕山大権現守護所」のお札が貼られていたほどである。
そのため、今でも東北地方には愛宕神社が多いらしい。

 

 

 

この石段を上りきれば拝殿に着く。

 

 

 

ここまでずっと上り道を歩いてきた筆者からすれば、果てしなく感じる。

 

 

 

10:38、愛宕神社に到着。

 

 

 

愛宕神社の本殿。
愛宕山のほぼ山頂である。標高 924m。
ほぼといったのは、山頂には本殿があるため、立ち入ることはできないためである。

 

 

 

本殿のご祭神は、
稚産霊神 (わくむすびのかみ)・埴山姫神(はにやまひめのみこと)・天熊人命(あめのくまひとのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)・豊受姫命(とようけびめのみこと)。



ご存知の通り、イザナミは火の神・カグツチの母親である。
イザナギとの間にカグツチを産んだイザナミは、火の神・カグツチを生んだ時に陰部に焼けどをしてしまい、それが原因で亡くなってしまう。
怒ったイザナギはカグツチを殺してしまう。
また、イザナミの死の直前、その尿(ゆまり)からはワクムスビが生まれ、大便からはハニヤマニメは生まれたとされている。
水の神であるワクムスビと土の神のハニヤマヒメが同時に生まれたことから、ともに農業をを守護する神様とされている。

 

 

 

山頂の気温は4℃。

 

 

 

これが片倉小十郎が奉納した絵馬。

 

 

 

若宮社と奥宮社にも行ってみる。

 

 

 

若宮社。
ご祭神は、雷神 (いかづちのかみ)・迦遇槌命 (かぐつちのみこと)・破无神 (はむしのかみ)。
京都を火や雷、疫病から守護するための神社。

 

 

 

若宮社のさらに奥が奥宮社。
主祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)。その他、九社十七神がお祀りされている。
日本八大天狗のトップ・太郎坊が祀られているのもここ。
この奥に愛宕山・山頂がある。

 

 

 

末社。
右が神明社で天照大御神(あまてらすおおみかみ)が祀られ、左の熊野社では伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が祀られている。

 

 

 

なかなか来るのが困難な愛宕神社なので、御朱印帳を購入した。
太郎坊が描かれている。

 

 

 

火伏のお札も購入した。「ひのようじん」
これを台所に貼ろう。

 

 

 

末社の稲荷社。

 

 

 

「上の亀石」。
いわれは不明だが、一の鳥居に役小角(えんのおづぬ)が置いた「下の亀石」と対になっているらしい。

 

 

 

参拝を終え、山を下りる。

 

 

 

写真の左側(清滝)から上ってきたが、復路は右側から下り、保津峡駅へ向かう。

 

 

 

ここにも茶屋跡。

 

 

 

杉の道。

 

 

 

シダの道。

 

 

 

崩落箇所。注意して歩けば危険ではない。

 

 

 

急勾配を下りていく。

 

 

 

眼下に保津峡駅と保津川(桂川)が見えてきた。

 

 

 

車道に出る。

 

 

 

駅はもうすぐ。

 

 

 

12:52、JR 保津峡駅に到着。

 

 

 

紅葉が残っている。

 

 

 

保津峡駅のホームとホームからの眺め。

 

今日は、火の神様として有名な愛宕神社を参拝しました。
徒歩でしか行くことができないため、ハードルは少々高いですが、それだけのご利益があると思います。
三つ参りの小さな子供たちもたくさん上っていたので、皆さんもぜひ一度参拝してみてください。

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