知人の高校生と大学生が山に登りたいというので、大阪府高槻市の神峯山寺(かぶさんじ)・本山寺(ほんざんじ)からポンポン山を経て、西国三十三所・第二十番札所の善峯寺(よしみねでら)まで歩いた。
神峯山寺の位置
歩行日:2021年2月11日
今日のルート。およそ 18 km の行程。標高の最も高い所はポンポン山の山頂。
ポンポン山山頂まではひたすら上り道で、そこを過ぎると下り道となる。
消費カロリーは 3,025 キロカロリー。
JR 高槻駅から高槻市営バスに乗り、6:50 に神峰山口バス停に到着。
7:08、神峯山寺の山門に到着。
神峯山寺の山号は根本山、宗派は天台宗。
神峯山寺は日本で最初に毘沙門天が安置された霊場といわれており、本尊である毘沙門天、兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)、双身毘沙門天(そうじんびしゃもんてん)の三体はいずれも秘仏となっている。
開山は役行者(えんのぎょうじゃ)。
それ以来、この付近は修験の霊場として知られ、比叡山、比良山、伊吹山、愛宕山、金峰山、葛城山に並ぶ七高山の一角として大いに栄えた。
中興に関しては、光仁天皇の勅願により、その子息・開成皇子(かいじょうおうじ)により開基された。
ちなみに、北摂地域では開成皇子により開基された寺院が多く、西国三十三所第二十三番札所の勝尾寺も開成皇子の開基である。
山門をくぐり、本堂へ進む。
神峯山寺の本堂。
今日は一緒に歩いてくれた大学生と高校生に毘沙門天とはどのような仏さまかを説明し、ロウソクと線香を渡してお寺の参拝の作法を教えた。
オン ベイシラ マナヤー ソワカ。
神峯山寺を出て、北に1時間ほど歩くと、本山寺に行ける。本山寺も本尊は毘沙門天。
8:27、本山寺の一の鳥居に到着。
お寺に一の鳥居があるのも神仏習合の名残り。
本山寺の縁起。
勧請掛(かんじょうがけ)。
鳥居から掛かっている 12 連の樒(しきみ)の垂れ具合で、その年の月毎の米の相場を占ったといわれる。
手水で心身を清め、鐘楼で鐘を撞く。
ゴーン。
お不動さまをお参りする。
水掛け不動さま
十三重石塔
本山寺の本堂へと続く石段。
本山寺の本堂。本尊は毘沙門天さま。
鞍馬寺、朝護孫子寺とともに「日本三毘沙門天」ともいわれている。
オン ベイシラ マナヤー ソワカ。
般若心経を知らない若い子には、この摩尼車(まにぐるま)を回してもらう。
本山寺を後にし、ポンポン山へ向かう。
クマさんには注意しましょう。
9:11、天狗杉(てんぐすぎ)に到着。
本山寺の勧請掛の案内板にも書いてあったが、鞍馬(くらま)→愛宕(あたご)→本山寺→箕面(みのお)と飛翔する天狗の休息場所となっている。
ここで78歳のお爺さんに話しかけられ、お一人で百名山を踏破したことなどを聞き、大いに勇気づけられる。
9:55、ポンポン山山頂に到着。
山頂でおにぎりをいただき、善峯寺に向けて出発する。
昔はここから亀岡の穴太寺(あなおうじ、西国三十三所第二十一番札所)まで巡礼として歩いていた。
11:43、善峯寺の仁王門に到着。
扁額(へんがく)の「善峯寺」の文字は、後鳥羽天皇のご宸筆(しんぴつ)である。
阿形(あぎょう)さん
吽形(うんぎょう)さん
ここの手水舎は竹製で、いつ見てもかわいらしい。
善峯寺の本堂。本尊は十一面千手千眼観世音菩薩。
オン バザラ タラマ キリク。
本尊は秘仏のため、脇侍本尊をテレビ放送から紹介する。
善峯寺の御朱印。
観音さまが本尊なので「大悲殿」と書かれている。
小さな祠(ほこら)が3つ並んでいる。
南無大師遍照金剛。
鐘楼からの景色。
長岡京市、山崎町が見え、遠くには淀川。
護摩堂には五大明王。中心はもちろんお不動さま。
言うのを忘れていたが、このお寺は桂昌院(徳川五代将軍・綱吉の母)ゆかりの場所で、この護摩堂も桂昌院が建立。
横長の松は全長 37m もあり、国の天然記念物に指定されている。
これも桂昌院のお手植えといわれている。
右奥には、しだれ桜の木が見え、これも桂昌院のお手植えと伝わる。
こちらの角度からも、しだれ桜と松が分かる。奥には六角形の経堂と多宝塔。
多宝塔
経堂
釈迦堂。
善峯寺のお釈迦さまは、合掌しておられる点が珍しい。
釈迦堂の横では蝋梅(ろうばい)が甘い香りを漂わせていた。
善峯寺の奥の院は薬師堂となっている。
薬師堂
薬師如来、日光菩薩、月光(がっこう)菩薩のいわゆる、薬師三尊の形態。
オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ。
参拝を終え、東門から出る。
冬期間は、善峯寺バス停までバスは来ておらず、ひとつふもとの小塩(おじお)まで 2km ほど歩く。
しかし、そのおかげで紅梅を愛でることができた。
13:29、バスに乗って帰宅。
全行程 18km の歩行となった。
若者たちにとっては、山を歩き、普段あまり縁のない神社仏閣に触れてもらえることができ、良かったのではないかと思う。
筆者としては、このブログのトップページに梅の写真を飾ることができて満足の旅となった。