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その他神社仏閣

京の伊勢・日向大神宮

本日訪れた日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)は、率直に言ってそれほど知られた神社ではない。

しかしながら、創建は顕宗(けんぞう)天皇の治世というから、日本にまだしっかりとした歴史が記述されていない時代である。

神社の創建はおそらく西暦 480 年頃と思われ、京都で最も古い神社の一つである。

日向大神宮には外宮(げく)と内宮(ないく)があり、内宮の主祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)なので、「京都のお伊勢さん」とよばれている。

本日、神話に登場する神々が祀られているファンタジースポットを訪れてみた。

 

参拝日:2021年2月20日

 

日向大神宮の位置。
最寄り駅は地下鉄・蹴上(けあげ)駅となるが、この日筆者は将軍塚から徒歩でやってきた。

 

日向大神宮の一の鳥居

 

蹴上インクラインを通り過ぎる。

 

内宮には天照大御神を祀り、外宮には「天孫降臨」のときに降臨された天照大御神の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が祀られている。
この山は現在では神明山とよばれているが、かつては天智天皇から「日山(かみやま)」と名付けられた。

 

二の鳥居から境内に入る。右に見えているのは拝殿。

 

拝殿

 

外宮(げく)。
伊勢神宮と同じ神明造り(しんめいづくり)で作られており、屋根は茅葺きの中でも葦葺き(よしぶき)となっている。
天照大御神の孫で高天原(たかまがはら)のプリンスである瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と天地開闢(てんちかいびゃく、世界の始まりのこと。)のときに最初に現れた天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)が祀られている。

 

鰹木(かつおぎ)が 5 本と奇数なので、男の神様を祀っていることが分かる。
また、千木(ちぎ)の先端が上を向いているのも男神を祀っている証となる。

 

内宮(ないく)。
ご祭神は、天照大御神宗像三女神(むなかたさんじょしん)とよばれる女神たち。

 

内宮は天照大御神をはじめ女神を祀っているので、鰹木は 8 本と偶数であり、千木の先端は横を向いている。

 

日向大神宮の御朱印。

 

 

天照大御神が天岩戸(あまのいわと)にお隠れになり、世界が真っ暗な闇に閉ざされた。
この岩の中をくぐると、心身が清められ、開運・厄除けのご利益があるといわれるので、筆者もくぐってみた。
中には、戸隠神社(とがくしじんじゃ)があり、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)が祀られている。
天手力男命は、天照大御神が岩戸から顔を出したとき、すかさず手を取って外に引き出した神。

 

天岩戸の出口

 

日向大神宮には日本神話に登場する神様が多く祀られている。
(猿田彦神社)猿田彦命(さるたひこのみこと)・・・瓊瓊杵尊が天孫降臨のとき道案内をした神。交通安全にご利益があるとされる。
(花祭(かさい)神社)木花開耶姫(このはなさくやひめ)・・・瓊瓊杵尊の妻。安産のご利益があるとされる。

 

 

下ノ別宮。七柱の神が祀られている。
(高宮)
天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)・・・瓊瓊杵尊の父。
(多賀神神社)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)・・・国生みと神生みの二神。
(春日神社)
天児屋命(あめのこやねのみこと)・・・天照大御神が天岩戸に隠れた時に祝詞を奏上した神。
武甕槌命(たけみかづちのみこと)・・・国譲りの交渉に成功した神。
経津主命(ふつぬしのみこと)・・・葦原中国(あしはらのなかつくに)の平定に遣わされた神。
天太玉命(あめのふとだまのみこと)・・・天岩戸で天照大御神に鏡を差し出した神。

 

10分ほど上ると、伊勢神宮の遙拝所(ようはいしょ)がある。

 

江戸時代、人口の 6 人に 1 人が伊勢神宮を参拝したといわれる。
伊勢参りに行きたくても行けない人たちはこの遙拝所から拝んだのであろう。
この遙拝所は、伊勢神宮に向いているだけでなく、伊勢→この遙拝所→平安神宮の大鳥居→かつての大内裏(だいだいり)→京都御所→大江山→宮津の元伊勢宮、が一直線に並ぶという、強烈なパワースポットとなっている

 

聞いていた通り、日本神話に出てくる神様のオールスターのような神社であった。

近くに南禅寺や永観堂といった観光地があるのだが、それを感じさせないくらいひっそりとした雰囲気であった。

紅葉の隠れスポットでもあるので、ぜひ皆さんも行かれてみてください。

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