COVID-19 の影響により京都の観光客もだいぶ減っていると聞く。
天気も良かったので、人の少ない京都の町を散策することにした。
途中、京都御所に立ち寄ったのだが、ここは2016年から通年無料で一般公開されている。
以前は事前申し込みが必要だったのだが、それにくらべるとかなり訪れやすくなっているので、
立ち寄ってみた。
歩行日:2020年3月7日
出発地:京都地下鉄・今出川駅(13:20)
到着地:京都地下鉄・今出川駅(16:15)
総歩行距離:8.5 km
地下鉄今出川駅で降車し、まずは廬山寺(ろざんじ)と清浄華院(しょうじょうけいん)を訪れた。
これらの古刹は以前も訪れたことがある。
廬山寺の山号は廬山、宗派は天台宗系単立の天台圓淨宗。
紫式部が育ち、源氏物語を執筆したのがここである。
源氏庭。
廬山寺の隣に位置するのが清浄華院。宗派は浄土宗。
手水舎。
鐘楼。
本堂となる大殿(御影堂)。法然上人が祀られている。
左手に大殿、右手に大方丈。中央に早咲きの蜂須賀桜が咲いていた。
大方丈。阿弥陀三尊が本尊として祀られている。
清浄華院を後にし、向かいの御所に進む。
これは御所の北東の角にある石薬師御門。
鬼門とは鬼が入ってくる方向のことであり、北東(=丑寅(艮):うしとら)の方角を表す。
平安京を鬼から守るために、桓武天皇は京都から見て北東に位置する比叡山に延暦寺を建立させた。
御所では、北東の角(かど)だけが写真のようにへこんだ形に作られており、上には猿の木像が置かれている。
これは猿が辻(さるがつじ)とよばれ、角(かど)を取り除いて鬼が入って来れなくするという意味が込められている。
また、丑寅の反対の方角は未申であり、猿を置くことで鬼門除けとしている。
少し分かりにくいが、猿が置かれている。
ちなみに、北西側はこのように普通に角(かど)が存在する。
先述したように、京都御所は2016年から通年公開されていて、誰でも入ることができる。
これは御車寄(おくるまよせ)。
昇殿を許された者が正式に参内する時の玄関である。
宜秋門(ぎしゅうもん)。
摂政関白、親王、公家、殿上人や将軍の御使及び諸大名が参内する際の表参内門。
参内した者の控えの間となる諸大夫の間。
新御車寄(しんみくるまよせ)。
大正天皇の即位礼に際して建てられたもので、大正時代以降の天皇皇后両陛下の玄関となっている。
紫宸殿南庭の西側の門となる月華門。門の奥に見えるのが紫宸殿(ししんでん)。
京都御所の南に位置する御所の正門となる建礼門。
建礼門というと、筆者は大原・寂光院の建礼門院徳子さんを思い出してしまう。
(京都 大原 三千院~勝林院~寂光院の項ご参照)
承明門の奥に紫宸殿が見える。
紫宸殿(ししんでん)は御所の中でもメインとなる舞台で、かつては天皇元服の儀式や即位礼等がここで執り行われた。
紫宸殿の全景。
天皇の玉座であり、即位礼で用いられる調度品である高御座(たかみくら)はここ紫宸殿に常設されている。元号が令和となり、今上天皇が即位されたときも高御座が分解され、ここから東京の皇居まで移送された。
春興殿。
清涼殿は天皇陛下が日常住まわれた場所で、現在工事中。
御池庭。
蹴鞠(けまり)の庭。
御内庭。
帰りは蛤御門(はまぐりごもん)から。
1864年の蛤御門の変のときの銃痕が生々しく残っている。
御所といえば、昔は日本人は予約がないと入ることができず、なぜか外国人観光客だけが容易に入ることができた。筆者は学生の時に、自分が御所に入りたいためにわざわざ外国人と連れ立って行った記憶がある。Palace という言葉にふさわしい御殿なので、皆さんもぜひ一度足を運んでみてください。