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西国三十三所

西国三十三所観音巡礼 第二十四番札所・中山寺(本堂~奥之院)

西国三十三所観音巡礼の続き、今日は第二十四番札所の中山寺(なかやまでら)である。
大阪は既に自粛解除されているので、マスクをして、バスと電車で向かった。

 

歩行日:2020年5月30日
出発地:阪急電車・中山観音駅(12:30)
到着地:阪急電車・中山観音駅(15:40)
総歩行距離:8.0 km

 

本日のルート。
中山寺自体は駅前にあるので、容易にアクセスできるのだが、奥之院まで行こうと思うと
なかなか大変である。下図の 5km 地点が中山寺の奥之院。

 

 

12:30、スタートは阪急電鉄・中山観音駅。

 


ご存知の通り、中山寺は安産祈願で有名な寺であり、駅前にはお礼参り用のさらしが販売されている。

 

 

駅を出て1分も歩けば中山寺の寺号碑が見えてくる。

 

 

中山寺の仁王門に到着。
中山寺の山号は紫雲山、宗派は真言宗中山寺派。
西国三十三所の第二十四番札所である。
聖徳太子が建立したといわれる日本最古の観音霊場である。
西国三十三所巡礼を創建した徳道上人(とくどうしょうにん)が閻魔大王から授かった
御宝印を中山寺の石の櫃(からと)に納めたことから、当初は第一番札所であった。

 

 

二体の金剛力士像。
いずれもバックには、西国三十三所巡礼の無事を祈願した奉納わらじが掛けられている。

 

 

金剛力士像の裏側には狛犬と獅子。

 

 

本堂へと続く花が植えられた道には塔頭(たっちゅう)寺院が建ち並んでいる。

 

 

ヤマアジサイはもうすぐ見頃だな。

 

 

この階段を登れば境内となる。

 

 

手水舎。

 

 

鐘楼。

 

 

水掛地蔵。お地蔵さんに水をかけて、亡くなった方の供養を行う。

 

 

ここが、徳道上人に御宝印を授けた閻魔大王が安置されている閻魔堂。

 

 

中央が閻魔(えんま)大王(=裁判官)、右が司命(しみょう=検事)、左が司録(しろく=書記)。

 

 

七福神の一人である寿老神を祀ったお堂は珍しい。
隣が勢至菩薩(せいしぼさつ)というのも初めて見た気がする。

 

 

大黒堂。大黒天と千手観音という組み合わせも筆者にとっては初めて。

 

 

さて、さらに階段を上がると本堂に行ける。
安産祈願の寺院で妊婦が多く集まるため、このようにエスカレーターが設置されている。
阪神・淡路大震災の復旧の際に設置されたとのこと。
上に見えているのが本堂。

 

 

中山寺の本堂に到着。安産祈願の参拝客で賑わっていた。
本尊は十一面観音。

 

 

ここで安産祈祷をすると、「御鐘緒(おんかねのお)」という腹帯をいただける。
平安時代後期、源行綱(みなもとのゆきつな)の妻は自身の不信心(夫が浮気しているのではないか)に悩まされていた。
妻が行綱の後をつけると、行綱は中山寺に到着した。
そのとき、妻の長い髪が本堂の鐘の緒にからまり取れなくなってしまった。
そこで、一心に観音様にお祈りをしたところ、鐘の緒は取れ、夫婦仲が戻り、
翌年は立派な男の子が生まれたという。
これだけなら、めでたしめでたしなのだが、それを聞きつけた一般大衆が中山寺に殺到し、
安産祈願のために鐘の緒をみんな持ち帰るという騒ぎが起こってしまった。
困った中山寺は、鐘の緒の代わりに「御鐘緒」という腹帯を配ることにしたという。

 

 

したがって、中山寺の鐘の緒は、持ち帰られないように今でも短くなっている。
代わりに、鰐口(わにぐち)は左右の棒を使って鳴らすことができる。

 

 

赤ちゃんの前掛けには、子授け祈願が書かれている。

 

 

本堂内陣は撮影不可なので、テレビ放送から紹介する。
本尊は十一面観音。

 

 

珍しいことに左右の脇侍(わきじ)も十一面観音となっている。
三体合わせて三十三面ということで、ここをお参りすると
西国三十三所をお参りするのと同じご利益があるという。

 

 

中山寺の御朱印。観音さんが本尊なので「大悲殿」と書かれている。
ご詠歌は、「野をもすぎ 里をもゆきて 中山の寺へ参るは 後の世のため」

 

 

中山寺のスイーツ巡礼は「みやすうめ」。
シロップとなっており、水に薄めて飲むと美味いとのこと。
安産に恵まれるようにと願いをこめ、 御・安・産・恵(み・やす・う・め)と名付けられている。

 

 

さて、中山寺の境内は広いので参拝を続けよう。
これは阿弥陀堂。本尊は阿弥陀如来。南無阿弥陀仏。
オン アミリタ テイセイ カラウン

 

 

さらに上っていく。

 

 

供養塔である大願塔。

 

 

鎮守社。鎮守神と恵比寿神が祀られている。

 

 

子授け地蔵。

 

 

子授け地蔵を過ぎると、五重塔と大師堂が見えてくる。

 

 

真っ青な五重塔が美しい。

 

 

五重塔から本堂を望む。

 

 

五重塔の隣には大師堂。弘法大師・空海が祀られている。
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)。

 

 

中山寺には奥之院があるとのことであり、せっかくなのでそこまで行ってみる。

 

 

お地蔵さん。この辺りに散らばっていたのをかき集められたのだろう。
オン カカカビ サンマエイ ソワカ

 

 

奥之院への案内板。
なんと 2km もあるではないか😲
予習しておらず、すぐそこだと舐めていました。

 

 

すぐおくのいん道。
是より十八丁(一丁はおよそ 110m)

 

 

今日は平服で、登山靴は履いていないのだが、覚悟を決めて進む。

 

 

徐々に山道となっていく。

 

 

信仰の道です。

 

 

徳を積みに来たのに、罪を積んではなりません

 

 

丁石を頼りに進む。

 

 

写真では分かりにくいが、結構きつい坂を登っていく。

 

 

お薬師さん。
オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ

 

 

このように所々に石仏が安置されている。

 

 

十一面観音さんと弘法大師さん。
オン マカキャロニキャ ソワカ

 

 

ちょうど距離が半分となる九丁石。
暑さもあってかなりきつかった。

 

 

あと、1.2km

 

 

目印となる夫婦岩。

 

 

如意輪観音さん

 

 

十二丁石。

 

 

あと 300m。

 

 

ゴツゴツした岩の道なので、登られる方は登山靴かトレッキングシューズをお勧めします。

 

 

大日如来。
オン アビラウンケン バザラ ダトバン

 

 

聖徳太子が修業された場所。

 

 

お不動さん。
ノウマク サマンダ バサラダン センダ マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン

 

 

宇多天皇(うだてんのう;867-931年)が自彫りされた天神。

 

 

ゴールとなる十八丁石。

 

 

奥之院が見えてきた。

 

 

奥之院に到着。ちょうど1時間くらいかけて登ってきた。

 

 

中山寺奥之院。
本尊は厄神明王(やくじんみょうおう)。

 

 

奥之院本尊の厄神明王とはどのような仏様なのだろうと思っていたら、
ちょうど良いところに作務衣を着たお坊さんが通りかかったので尋ねてみた。
「門戸厄神の厄神明王さんは不動明王と毘沙門天が合わさったような仏様だが、
ここのは少し違っています」とのことであり、護符を見せていただいた。
500円にて購入した。
確かに右手に剣を持ってはいるが、お不動さんとは全然異なっている。

 

 

弁天さん。
オン ソラソバテイエイ ソワカ

 

 

これはお不動さん。脇侍が制多迦童子(せいたかどうじ)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)なのは
よくあるパターンである。左は弘法大師さん。

 

 

何やら鳥居があるので行ってみる。

 

 

これは、330歳まで生きたという伝説の家臣・武内宿禰(たけのうちのすくね)ではないか😲
応神天皇との御座かな。中山寺奥之院にはすごいものが安置されている。

 

 

さて、来た道を戻る。

 

 

復路は下りなので、30分ほどで戻ってきた。

 

 

あと二つ、まだ参拝していないお堂が本堂の横にある。
開山堂と護摩堂(ごまどう)である。
これは、中山寺を開山した聖徳太子を祀った開山堂。

 

 

不動明王を中心とした五大明王を祀った護摩堂。
五体の中央は、もちろん我らが不動明王。

 

 

全て参拝を終えたので本堂から下に降りる。

 

中山寺は、聖徳太子が開山した日本最初の観音霊場とあって、すごい歴史を持っている。
ここでは書かなかったが、豊臣秀吉も中山寺を信仰しているし、日本で唯一の明治天皇勅願所でもある。
今では安産祈願の寺として有名な中山寺であるが、それ以外にも見どころがたくさんあるので、
ぜひ多くの人に参拝していただきたい名刹だと思った。
ただし、奥之院まで行かれる方は、それなりの準備をして行ってくださいね。

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