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西国三十三所

西国三十三所観音巡礼 第八番札所・長谷寺~第九番札所・興福寺南円堂

西国三十三所観音巡礼 第七番札所・岡寺~明日香村・石舞台古墳」の続きです。

 

岡寺から北東へ車で30分ほど行くと長谷寺に着く。
この写真の右上にある「法起院」は西国三十三所の番外札所であるので、後で立ち寄る。

 

 

門前町らしい雰囲気。突き当たりが長谷寺である。

 

 

長谷寺の山号は豊山(ぶざん)。真言宗豊山派の総本山である。
創建は奈良時代、8世紀前半と思われるが詳細は不明である。
開祖は徳道上人(とくどうしょうにん)といわれているが、定かではない。
西国三十三所第八番札所であり、本尊は十一面観音。

 

 

仁王門が見えてきた。この仁王門は重文。

 

 

阿形さんと吽形さん。

 

 

仁王門から参道を見下ろす。

 

 

長谷寺の境内図。

 

 

有名な登廊(のぼりろう)。重文。灯されている灯籠は長谷型灯籠とよばれる。

 

 

サワガニさん。

 

 

どんどん上る。雨をしのげるのが有難い。

 

 

2回屈折しているが、その角にある天狗杉。

 

 

90度曲がりさらに上る。

 

 

蔵王堂(ざおうどう)に着いた。ご存知の通り、蔵王権現(ざおうごんげん)は吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)の本尊。
吉野からここまで渡ってきたとの伝説がある。
また、長谷寺の開祖であり、西国三十三所巡礼の創始者でもある徳道上人(とくどうしょうにん)は金峯山寺の開祖・役小角(えんのおづぬ)の生まれ変わりという説もある。

 

 

百人一首の歌「人はいさ心も知らず故里は 花ぞ昔の香ににほひける」はここ長谷寺が舞台である。

 

 

左から馬頭夫人宮(めずぶにんぐう)、八幡宮(はちまんぐう)、住吉宮。
唐の国に「馬頭夫人」という馬面の后がおられ、自らの醜さを恨んでいたが、ある時、唐から長谷寺の観音さんに向いて祈りを捧げたところ、
不思議なことに美しい顔立ちに変わった。たいそう喜ばれた「馬頭夫人」はたくさんの宝物を長谷寺に寄贈し、
その中のひとつに牡丹の木があり、有名な長谷寺の牡丹はそれに由来するとのこと。

 

 

本堂に着いた。
徳川三代将軍・家光公によって寄進されたものであり、2004年に国宝指定されている。

 

 

この本堂は観音さんを本尊とするお堂なので、「大悲閣」ともよばれる。

 

 

写真撮影は禁止なので、テレビ放送からご紹介する。
本尊は十一面観音であり、高さは10mを超える巨大な仏様である。
寺伝によると、開山の徳道上人が大和国(奈良県)初瀬山の山中で見つけた楠の巨大な霊木から、二体の観音像が造られました。
一体はここ大和長谷寺の観音像となり、残る一体が衆生済度の願いを込め海に流されたという。
その後、三浦半島の長井浦辺りに流れ着いた観音像を用いて建立されたのが鎌倉・長谷寺である。
鎌倉・長谷寺については筆者のブログでもご紹介済みである。

 

 

右手に錫杖(しゃくじょう)と数珠を持っておられるのが特徴である。通常、錫杖を持つのは地蔵菩薩なので、
この観音には、お地蔵さんと観音さん両方のご利益があるとのことである。

 

 

十一面観音の左隣には、雨宝童子とよばれる神様が祀られている。
雨宝童子は天照大御神(あまてらすおおみかみ)の化身である。

 

 

長谷寺の本堂は舞台造りとなっている。

 

 

舞台からの景色。

 

 

本堂を出る。奥に見えるのは鐘楼。

 

 

長谷寺の御朱印。「大悲閣」。

 

 

さらに境内を散策する。これは大国堂。

 

 

弘法大師を祀った御影堂(みえいどう)。

 

 

長谷寺の起源である本長谷寺。

 

 

五重塔。昭和29年建立。

 

 

五重塔の向かいには三重塔跡。三重塔も再建されれば、五重塔と並び立って迫力あるだろうな。

 

 

木で隠れているが、本堂の舞台を望む。

 

 

境内は広く散歩にはちょうど良い。今日は生憎の雨だが。

 

 

手水鉢。

 

 

不動堂があったので、お不動さんマニアの筆者はもちろん立ち寄る。

 

 

普門院不動堂というらしい。

 

 

このお不動さんは重文。

 

 

長谷寺を後にし、来た道を戻ると途中に法起院がある。
ここは長谷寺を開山し、かつ、西国三十三所の創始者である徳道上人(とくどうしょうにん)を祀る寺院であり、
西国三十三所の番外札所である。

 

 

法起院の御朱印。「開山堂」と書かれている。

 

 

長谷寺のスイーツ巡礼は草餅だったので、100円で購入。
あつあつで粒あんがたいそう美味しかった。

 

長谷寺から車で北に1時間ほど行くと、興福寺に着く。
西国三十三所の札所は南円堂であるが、せっかくなので他の伽藍も拝観した。

 

興福寺の本堂は金堂とよばれるが、かつては3つの金堂(今は2つ、東金堂と中金堂)があった。
これは東金堂(とうこんどう)。国宝。本尊は薬師如来で、日光・月光菩薩が脇侍を固めている。

 

 

五重塔。国宝。

 

 

2017年に再建された中金堂(ちゅうこんどう)。

 

 

そして、札所本尊のおられる南円堂。

 

 

南円堂のご詠歌。「春の日は 南円堂に かがやきて 三笠の山に 晴るるうす雲」

 

 

南円堂の本尊は不空羂索観世音菩薩。秘仏であり、毎年10月17日に開扉される。
これもテレビ放送からご紹介する。

 

 

興福寺南円堂の御朱印。

 

 

南円堂を出た。次に、護摩ですすまみれのお不動さんを参拝する。

 

 

で、最後は、お約束の国宝館で阿修羅くんのお顔を拝見した。

 

 

もちろん写真撮影は禁止である。

 

 

さすが、日本の国宝彫刻の一割を所蔵する興福寺だけのことはあり、目の保養になった。
夕方になり、一日降っていた雨もようやく上がった。

 

西国三十三所巡礼もようやく奈良を終え、次は宇治から京都へ参ります。

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