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トーハク特別展(最澄と天台宗のすべて)を拝観して-寛永寺と深大寺

2021年は、天台宗の開祖・最澄の 1,200年大遠忌にあたる。

それに伴い、3会場にて特別展「最澄と天台宗のすべて」が開催される。

①東京国立博物館(2021年10月12日~11月21日)
②九州国立博物館(2022年2月8日~3月21日)
③京都国立博物館(2022年4月12日~5月22日)

多くの展示物は3会場共通であるが、一部その会場でのみ見ることのできる展示物があるため、筆者は全会場を見て回るつもりでいる。

今年は東京国立博物館(トーハク)での開催であるが、せっかく東京まで行くのであれば他にも観光する場所がないかななどと考えていた。

そうしたところ、東京都調布市にある深大寺(じんだいじ)が元三大師像の胎内仏である鬼大師像を 205 年ぶりにご開帳されるとのことであり、それが11月3日からであった。

さらに ANA が東京ー大阪間を往復 6000 マイルで行けるキャンペーンを行っていることに気付いた。

そこで、出発の2日前に急遽マイルで航空券を予約し、日帰りで東京観光に行くことに決めた。

 

 

訪問日:2021年11月3日

 

 

朝 7:30 発の ANA14 便に乗り東京へ向かう。

 

 

 

富士山はすっかり冠雪している。
今年は途中でリタイヤしたけど、来年こそは登頂するどー。

 

 

 

8:45、羽田空港に到着。

 

 

 

京急に乗って、品川駅で JR に乗り換える。

 

 

9:40、JR 上野駅に到着。

 

 

 

駅を出ると早速イベントの看板が立っていた。

 

 

 

上野公園を北に進む。
正面に見えるのがトーハク。

 

 

当日券を 2,200 円で購入。
混雑が予想されるため、日時が指定されていた。
90分以内に観覧するよう依頼されたが、じっくり見てちょうど90分くらいであった。

 

 

 

 

イベントはトーハクの平成館で開催されている。

 

 

 

館内は撮影禁止であるが、延暦寺根本中堂の模型だけは唯一撮影可であった。
手前の三つの灯りはご存知「不滅の法灯」。

 

 

 

それ以外についてはテレビ放送からご紹介する。
天台宗と比叡山延暦寺は伝教大師・最澄が開いた。

 

 

葛川夏安居(かつらがわげあんごで有名な明王院のご本尊・千手観音さま。

 

 

 

脇侍にはお不動さまと毘沙門さま。

 

 

 

天台宗では法華経を最重要視している。
聖徳太子は法華経の信奉者だったことから天台宗でも祀られている。
一乗寺の「聖徳太子及び天台高僧像」についてはこのブログでも紹介したことがある。

 

 

 

天台宗を最澄に伝授した中国の智顗(ちぎ)。

 

 

 

最澄上人。

 

 

 

延暦寺のご本尊は根本中堂に安置されている薬師如来さまであるが、これは秘仏であり公開されることはない。
そのお薬師さまと酷似しているというのがこの薬師如来さま。
この法界寺のお薬師さまも秘仏であるが、今回初めて公開された。胎内に最澄自刻の薬師像が納められていたと伝わる。

 

 

 

右手を見ると薬を塗るときの指が少し前に出ていることから、薬指の名の由来がよく理解できる。

 

 

 

最澄直筆の書状。

 

 

 

第3代の天台座主(ざす)である慈覚大師・円仁上人。最澄の弟子にあたる。

 

 

 

千日回峰行で有名な伊崎寺のお不動さまも今は東京出張中(^^)
このお不動さまは、相応和尚(そうおうかしょう、回峰行の祖)作として知られている。

 

 

 

このお不動さまは、歯が両方とも上を向いており、天地眼ではなく、玉眼も入っていないことから、平安時代の作と分かる。
鎌倉時代以降になると、歯が上下向きとなり、目も上と下を向き(天地眼)、玉眼が入るようになる。

 

 

 

浅草寺蔵の法華経。

 

 

 

そしてこれが後で訪れる寛永寺のご本尊・薬師如来さま。

 

 

 

これも後で訪れる深大寺の元三大師像。
想像以上に大きく、筆者にとって最も印象的であった。。

 

 

以上、筆者にとって印象的だった仏像についてご紹介した。
その他にも、真如堂の阿弥陀如来さまもずっと見ていたいくらい優しいお顔をしておられた。
拝観料 2,200 円は少し高いかなと思っていたが、見終わった後では大満足で全然高くないと思い直した。すみませんでした(^^;)

 

 

カフェでは延暦寺ではお馴染みの「梵字ラテ」が用意されていた。

 

 

 

この日は乃木坂46 の展示も行われていた。

 

 

 

11:30、トーハクを後にし、西に10分ほど歩くと、展示にも出てきた寛永寺に着いた。
寛永寺は以前にもご紹介した。

寛永寺の山号は東叡山、宗派は天台宗。
東叡山は、東の比叡山という意味。

 

 

 

本堂の名称も延暦寺と同じく「根本中堂」となっている。
ご本尊は、隣の東京国立博物館に出張中の薬師如来さま。

 

 

 

御朱印と散華をいただいた。
薬師如来の正式名称は薬師瑠璃光如来。したがって、根本中堂は瑠璃殿ともよばれている。

 

 

 

 

寛永寺を参拝した後は、しばらく上野公園を散策する。
上野動物園の敷地も昔は寛永寺の境内であった。
だから、動物園内に五重塔があるという不思議な光景が見られる。

 

 

 

上野東照宮。
中では、初代将軍・徳川家康公、八代将軍・吉宗公、十五代将軍・慶喜公が祀られている。

 

 

 

東京にも大仏さんがおられたことをご存知だったであろうか。
太平洋戦争と関東大震災により、今はお顔だけが残されている。

 

 

 

次に、不忍池(しのばずのいけ)の弁天さまを参拝する。
縁日のような賑わい。

 

 

 

弁天堂の手水舎。

 

 

 

寛永寺は天海僧正が建立した。
天海は不忍池を琵琶湖に見立て、また琵琶湖の竹生島の弁天さまの代わりにここに弁天さまを祀った。
オン ソラソバテイエイ ソワカ。

 

 

 

その横の大黒天さまも参拝する。
オン マカ キャラヤ ソワカ。

 

 

最後に観音さまを参拝する。
天海は京都の清水寺と同じように、上野にもかけ造りの観音堂を建立した。

 

 

 

名称も清水坂。

 

 

 

お堂の名前も清水観音堂。

 

 

 

清水観音堂の秘仏・千手観音さまは、実際に京都の清水寺から寄進されたものである。

 

 

 

舞台から弁天堂を望む。

 

 

 

上野から JR 三鷹駅まで電車で移動し、そこからバスで深大寺(じんだいじ)に向かった。
13:35、調布市の深大寺に到着。

 

 

 

深大寺の山号は浮岳山、宗派は天台宗。
今年の「ゆく年くる年」でも紹介されたので、ご存知の方も多いだろう。
筆者にとっては初参拝だったので、境内図を見て、本堂と元三大師堂と鬼大師さまが公開されている釈迦堂の3つのお堂を参拝することにした。
本当は全部見て回りたいのだが、帰りの飛行機の時刻に間に合わないといけないので集中して参拝する。

 

 

 

参道を歩いて、まず人の多さにビックリした。
比叡山や高野山でもこんなに混んでいるのを見たことがなく、さすがに東京のお寺だなと感心する。

 

 

 

深大寺そばを楽しみにしていたのだが、この並び具合を見て早々に断念する😭

 

 

 

茅葺きの門から境内に入る。

 

 

 

まずは本堂の阿弥陀さまを参拝しようとすると、初詣でもないのに並んでいるのを見て再度ビックリする。

 

 

 

扁額には無量寿と書かれている。
ご本尊が阿弥陀如来さまの場合に無量寿とよばれる。
南無阿弥陀仏。

 

 

 

続いて元三大師堂を参拝。
オン バラダ ハンドメイ ウン。

 

 

 

最後に、トーハクに出張中の元三大師像の胎内仏である鬼大師さまが 205 年 ぶりにご開帳されるというのでその列に並ぶ。

 

 

 

元三大師は霊験あらたかで、角大師、鬼大師、豆大師など様々な仏に変身することができる。
その鬼大師像が元三大師のお腹の中に安置されているとのことで、筆者としてもぜひ見たかった。
実際に見てきたが、可愛らしくも穏やかな表情が印象的であり感動的であった。

 

 

 

深大寺の御朱印。
ご本尊の阿弥陀さまと元三大師さまの二つの御朱印をいただいた。

 

 

 

次に、鬼大師様の御朱印と豆大師さまのクリアファイル。
筆者は、元三大師マニアなのである。

 

 

 

角大師さまのお札。
かわいくないですか。

 

 

 

もう一つ(^^)

 

 

豆大師さまのお札。

 

 

 

十分堪能したので、深大寺を後にする🙏

 

 

 

14:50、バスに乗って京王・調布駅に到着。

 

 

 

羽田空港から飛行機に乗って帰阪する。

 

 

 

日帰りだったので忙しく見て回ったが、見たいものは全て見ることができたので満足な旅となった。

トーハクの展示は、天台宗のオールスター大集合という印象で見ごたえ十分だった。
次の九州国立博物館と京都国立博物館にも見に行きたいという気持ちが強くなった。

寛永寺と深大寺両方とも人が多く、東京の人の信仰の厚さに感心した。
関東の方にお伝えしたいことは、比叡山や高野山ならそんなに混雑せずにに静かに参拝できるので、機会があればぜひいらしてください。

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