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その他神社仏閣

房総半島 崖観音(大福寺)と日本寺

本日参拝した二寺はいずれも、聖武天皇の勅詔を受けて行基(ぎょうき)によって開山された古刹(こさつ)である。
ご存知の通り、行基は、それまで朝廷が中心となって信仰していた仏教を一般庶民に広めた人物として知られる。
筆者のブログで紹介した岩船寺などは行基によって開山されたのだが、
彼は遥か房総半島まで布教に来ていたのかと感慨深く歩く旅となった。

今日のコースは、那古船形駅→大福寺(崖観音)→那古船形駅→(鉄道移動)→浜金谷駅→鋸山ロープウェイ→日本寺→鋸山ロープウェイ→浜金谷駅

 

歩行日:2019年3月20日
出発地:JR 那古船形駅(11:20)
到着地:JR 浜金谷駅(17:00)
総歩行距離:9.6 km

 

今日のルート

 

 

JR 木更津駅で 10:29 発の内房線・館山行きに乗り換える。

 

 

内房線を南下する途中、東京湾観音が見えた。高さ 56m。
1961年に戦没者慰霊と平和祈念を目的として建立された。
胎内のらせん階段を使って登ることができるとのこと。

 

 

11:20 に那古船形駅に着いた。

 

 

ホームから改札に行くには高架を渡る必要があるので、高架橋から一枚。

 

 

駅を出て、海に向かって西向きに進む。

 

 

途中、柳塚波切不動尊というお不動さんがいたので手を合わせる。
「波切」というくらいなので、海が近いため、航海安全の願掛けから始まったのだろう。

 

 

地域の厚い信仰を集めているようだ。

 

 


お昼時なので、まずは昼食を取ることにした。
目当てだった蕎麦屋さんが休みだったので、左に見えるイタリアンの店に立ち寄ることにした。

 

 

お邪魔したのは「トリノカフェ」。近所の奥様方がカフェを楽しんでいた。

 

 

お店の中はロッジ風で落ち着ける。

 

 

注文したのは「きのこのレモンクリームパスタ」のサラダセット。
これで900円とはコスパ抜群だな。味も酸味が効いて、文句なしであった。

 

 

お店を出てしばらく進み、「岩舟地蔵尊」の横を通り過ぎる。

 

 

さらに進むと、目的地である「大福寺・崖の観音」の案内が見えた。

 

 

案内の通り、北に進む。

 

 

崖の上にお堂が見えた。

 

 

到着したのは、崖観音(がけかんのん)として知られる大福寺。
大福寺の宗派は真言宗智山派。山号は船形山。
標石にも崖観音と書かれている。

 

 

コンパクトな寺院なので30分もあれば回れる。崖の上に行くもそんなに大変ではなかった。

 

 

本堂。本尊は大日如来。
両脇には一対のソテツの木が植えられており、南国の雰囲気を醸し出している。
お寺にソテツなんていうのは初めて見たが、意外と似合っていると思う。

 

 

延命地蔵尊。

 

 

観音堂に向かう階段。真言宗寺院らしく、横には「南無大師遍照金剛」の標石。

 

 

鯉の形をした「鯉之池」。

 

 

階段の途中にあるお不動さん。成田山不動尊。

 

 

観音堂に着いた。本当に崖の上に建てられている。

 

 

崖面中段に浮彫りされた摩崖仏らしいのだが、雨風による風化を防ぐため、
完全防護されていた。なぜかお顔だけ拝見できず。

 

 

観音堂の天井には色鮮やかな花の絵が描かれている。

 

 

観音堂からは館山湾が一望できる。

 

 

麓に下りてきた。この石碑は日露戦争の碑。地元民が多数出征したとのこと。

 

 

この観音堂は火災や地震や土砂崩れにより、何度も倒壊したらしい。
そりゃあ、崖の上に建っていること自体奇跡のようなものだからなあ。
現在のお堂は平成28年7月に大改修を受けたもの。

 

 

本堂の横で御朱印をいただいた。「十一面大悲殿」と書かれている。
ここ大福寺は安房国観音霊場の第三番札所でもある。

 

 

寺を出て、駅に戻る。

 

 

那古船形駅に戻ってきた。

 

 

なかなかに趣のある駅舎。

 

 

少し木更津方面に戻り、浜金谷駅に着いた。

 

 

板張りの駅看板。線路の枕木のようにも見えるが。

 

 

浜金谷駅から海岸に沿って、南に歩く。

 

 

10分ほどで鋸山(のこぎりやま)ロープウェイ乗り場に着いた。

 

 

15分ほど並んでロープウェイに乗る。

 

 

ロープウェイから山麓を見下ろす。

 

 

5分ほどで山頂駅に着いた。

 

 

山頂駅から日本寺方面には少し下りることになり、そこで拝観料600円を納める。
日本寺は曹洞宗の寺院。

 

 

山頂駅から日本寺に向かう下り道。

 

 

まずは百尺観音へ。

 

 

百尺観音に近づいた。遠くには「地獄のぞき」が見える。

 

 

百尺観音。これでは大きさは分かりにくいが、百尺(30m)ある。
昭和35年から41年にかけて彫られた。
航海、航空、陸上交通の安全を守る本尊として崇めらている。

 

 

百尺観音から上っていく。

 

 

「地獄のぞき」に着いた。ここは高さ100メートルの崖から突き出した岩上の展望台。

 

 

筆者も行ってみた。もちろん高所恐怖症である。
足をすくませながらの一枚。

 

 

大仏方面へ下りていく。

 

 

山頂から大仏までの道は千五百羅漢といって、数多くの石仏が安置されている。
石仏の多くは江戸時代に作られたものであり、その中には頭部のない仏様もたくさんあるが、
これは明治初期の神仏分離令による廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によるものであり、
それもまた歴史の一部ということである。

 

 

千五百羅漢道をひたすら進む。往路は下りだが、帰りは登ってこないといけない。

 

 

お不動さん。

 

 

どんどん下りていく。

 

 

聖徳太子像。

 

 

またまたお不動さん。

 

 

ここ日本寺は曹洞宗寺院だが、弘法大師像もある。真言宗から宗派を変えたのだろう。

 

 

さらに下りる。

 

 

ようやく大仏さんを拝めた。
高さ 31m は日本最大の大仏である。
この仏さまは左手に薬壺(やくこ)を持っておられるので、薬師如来である。

 

 

この写真なら、大仏さんの大きさが分かるかな。

 

 

日本寺の御朱印。「大悲圓通閣」と書かれている。
これは本尊である観音さんのことなのだが、観音堂へはさらに下る必要下る必要があり、
本日は時間の都合上行くことはかなわなかった。

 

 

納経所から大仏さんを望む。

 

 

ここからロープウェイ乗り場まではひたすら上りである。
なんとか間に合い、山頂で竹炭アイスをほおばる。

 

 

急いで浜金谷駅に戻ってきたのだが、目の前で電車を逃してしまった。
木更津駅行きの電車は一時間に一本なので、一時間ほど海岸で夕陽を見て過ごす。

17時46分発の電車で帰途につく。

大福寺は、奈良時代に行基によって彫られた摩崖仏が現存していることにまず驚かされる。
このブログの「12. 京都・当尾地区 摩崖仏めぐり(岩船寺&浄瑠璃寺)」でも紹介した通り、
摩崖仏というのは雨風で傷んでいくのは筆者も見てきた。
間近で見られないのは残念だったが、風化を防ぐためにはやむを得ないのだろう。
ぜひとも後世に伝えていってほしいものだ。

日本寺はとにかく広いというのが一番の感想。
しかも高低差が大きいので、全部見て回るのは体力が必要であった。
時間の都合で観音さんを拝めなかったが、それは次回のお楽しみということで。

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